教育エッセイ

教育つれづれ日誌

2013.02.19
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国語科の学年単元別指導事項一覧表づくり

兵庫県神戸市立桜の宮小学校　特別支援教育士スーパーバイザー（S.E.N.S-SV）　関田 聖和

　平成24年度も，もうカウントダウン……。この頃になれば，わたしのクラスでは，

○年○組　解散まで，あと○日　といった日めくりカレンダーを作り，そこにイベントや

クラスのプチ目標を書き込んで，過ごします。

　そして終業式まで，有意義な学校生活が送ることができるように取組を仕組んでいきます。

これは，しんどいけれど，楽しい仕事です。

 

国語科にも見える学力がある 

　さて，最近，国語の研究授業を見る機会が多くあります。その度に話題になるのが，

「つけたい力」

についてです。

　算数では，子どもたちの「分かった」「できた」がよく見えます。

しかし，国語科では，なかなか見えません。

　もちろん，漢字の学習では，「読むことができた」「書くことができた」といった結果が

見えるでしょう。

　でも国語の授業のほとんどでは，漢字の学習や算数のように，「分かった」「できた」

といった結果がはっきりしないことが多いです。

　とはいえ，45分間という限られた時間の中で，ただ闇雲に音読したり，考えを述べたり

しているのではありません。

　そこには，

学習のねらい

があるからです。

　「登場人物の心情を想像する」という目標があるとしましょう。

しかし，この学習活動を取り入れることで，指導事項が指導されたとは言えない学習になる

可能性があります。

　これが，3年生の文学教材の指導であったならば，

「ウ　場面の移り変わりに注意しながら，登場人物の性格や気持ちの

　　　変化，情景などについて，叙述を基に想像して読むこと。」

などになるのです。

　的を射てない心情を想像していたらそれは，間違いです。改めさせなければなりません。

その読み方を指導しなくてはいけないことになるのです。


 

時間数との葛藤

　国語の研究授業後に，時間数の話になることがあります。

「昔のようにやっていては，時間が足りない」 

「させたいことが多くて，休み時間も使ってしまう」 

という話題です。

　これは，指導事項がぼやけるために起こってしまうのではないかと考えています。


 

学年・単元別指導事項一覧表

　教科書会社のホームページに，年間学習計画や教材と指導事項を結びつけた表などがアップ

されています。本校では，それらをもとに，その単元，その教材で，どのような力をつける

のかを指導事項と照らし合わせながら，一覧表づくりを計画しています。

国語科の学年・単元別指導事項一覧表です。

つまり，

「この単元では，この教材を使って，このことができるように指導しましょう」

と，言えるようにしたいのです。

　こうすることで，単元を貫く言語活動も，もっと見えてくることでしょう。

そして，指導したこと，子どもたちの学習の成果が残るようにしたいのです。

これを本校の国語部会の先生方と作成しています。

　単元や教材を学年や指導の領域ごとに整理し，一覧にすることで，

系統性もはかれるのではないかと考えています。
 

 

国語科で習得したことを他教科へ

　本校の平成24年度国語科の指導重点は，

「国語科で習得したことを他教科へ」

でした。

　新しい教科書になって2年目です。しかし，まだまだとまどいがあるようです。

　わたし自身も，教科書を使っての授業が少ないため，授業実践を積まねばいけないと

痛感しているところです。

　今年度も残りわずかなのですが，本校の先生方のお知恵を借りて，これらを整理整頓して授業へ活かしたいのです。

　みんなで頑張ります！

と，終わりは何だか決意表明になってしまいましたが……（笑）

 


 

関田 聖和（せきだ きよかず）

兵庫県神戸市立桜の宮小学校　特別支援教育士スーパーバイザー（S.E.N.S-SV）
主な単著：『楽しく学んで国語力アップ！「楽習」授業ネタ＆ツール』（明治図書）、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』（喜楽研）、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』（黎明書房）、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ（全１０冊：清風堂）
その他、特別支援教育すきまスキル（明治図書）等共著多数。

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