7月29・30日に開催された、NIE全国大会(福井大会)に参加しました。福井は文科省の学力調査でも上位に位置しており、教育力の高さで注目されています。昨年度から完全実施となっている学習指導要領に新聞の活用が盛り込まれたことで新聞への関心が高まっているのか、参加者が大変多く充実した大会でした。また、福井県の取組に触れ、新聞の活用が学力向上をになっていることを確信しました。
全国大会のシンポジウムで、福井のNIEについて基調提案がありました。NIEの指導に関して「どのような能力を」「どのようなステップで」育成するかを明確にした指導をしているとの報告がありました。NIEで育成する能力を小学校低学年からどのように育てていくかということが表にされており、大変参考になりました。指導する内容と育成したい能力がはっきりしていることで、指導する教師は自分の立ち位置が分かり、児童生徒のこれまでの経験とこれから経験することを考えながら指導を行うことができます。このような取り組みこそ、NIEを根付かせていくには大切であると考えました。
現在、さいたま市でもNIE推進に力を入れており、市内の小中学校で実践が行われるようになりました。しかし、教師がどのようにスタートしたらよいかということや、どのように指導したらよいかということで迷うことが多いという声を聞きます。福井県の実践のようにNIEカリキュラムがあると、自分の学校の実態に合わせてNIEの指導計画を作りやすくなると感じました。ただ、学校現場には新聞の活用だけでなく、やらなければならないことがたくさんあります。全てに重点を置くわけにはいきません。
そこで、現在の指導計画の中に新聞を活用できるマークのようなものを入れておくだけでも、立派なNIE指導計画になると考えます。それを見た教師が、集めておく記事について事前に把握することができます。無理のない指導計画作りを、私も本校での実践を通して提案していきたいと考えております。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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