2012.09.03
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続 2学期に取り入れたい特別支援教育の視点

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 2学期・前期が始まりました。もう少し夏休みが欲しいという氣持ちがいっぱいでしょうか。

「いやいやもう先週から始まっているよ。」という学校もあるのでしょう。

 さて今回は,「2学期に取り入れたい特別支援教育の視点」の続編をお伝えします。

 

学習道具の構造化

 子どもたちの学習道具は,様々。はさみ,のりといった小物から,習字道具,絵の具,

裁縫道具に,リコーダー。もちろんこれらの

持ち物の管理を構造化


したいですね。

 確かに何の手立てもしなくても,全員が丁寧に管理ができる子どももいます。

しかし,どこのクラスにも,1,2人はいないでしょうか。

机の中から,給食の残りものが出てきたり,プリントが押し込まれていたり……。

そうです,そのような子どものために,


片付ける場所を構造化する


のです。

 片付ける場所を明示するための項目を明記すると良いでしょう。また,整頓された

状態をデジタルカメラで撮影して,掲示しておくのも良いでしょう。それは,何がどこに

あるか一目で分かり,片付け方まで分かるからです。

 これらは,普段たくさんの人が使う,体育倉庫や掃除道具倉庫などにも応用ができます。

 

ぱっと見て,誰もが分かる工夫

 

をしたいものです。
 

教師自身も構造化

 最後に教師自身の構造化です。これは,多くの著書に見られます。
 

発問・指示を具体的に,そして簡単にする


 

とです。

 1つの指示にいくつもの指示が入っていたり,要点を示さず長い指示をしたりすると,

すべての子どもが理解できないことが多いのです。低学年なら,なおさらです。文字数

までこだわって行いたいものです。また,口答の指示だけでなく,

教室であれば板書を
する

運動場などでは,スケッチブックに指示を書いて見せる


ことで,子どもたちには,より伝わります。

 

複数の指示をする場合は,番号を振る

 

と良いでしょう。口答で指示することで聴覚的に,目に見える形で視覚的に指示する

ことで,聞き逃しが少なくなるでしょう。

 もちろん,不注意から聞き逃しをする子どももいるので,

 

注意喚起も必要

ですね。

 どの子どもも学ぶことができるために,

 

 教師の指導の型に合わせさせるのでは無く,

         その子どもの学び方に合わして指導

 

したいものです。


 

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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