この記事が掲載されるときには,みなさん夏休みに突入しているのでしょうか。有意義な夏を過ごしたいものです。
2012年7月14日(土)に,教材・授業開発研究所 in 兵庫で,「特別支援教育士(S.E.N.S)の通常学級の取組 ~漢字編~」
と題して,登壇させていただきました。まだ1学期が終わっていない時期の開催でした。
このセミナー後の1週間は,1学期の姿を振り返りながら子どもたちを見ることができたので,
わたしにとっても有意義な機会となりました。そこで話をさせていただいたプレゼンをもとにお伝えします。
良いクラスに育っていますか
一学期が終わりました。学級担任の先生方は,次のどれに当てはまりますか。
A.満足なクラスに育ってきている!
B.ううん,まだまだかなあ
C.かなり挽回が必要だ
どうでしょうか。それぞれの選択肢には,意味がありますね。
次に学習面は,どうでしたか。
A.どの教科も学力評価Bの子が80%以上
B.どの教科テストも,全員60点以上
C.とりあえず,教科書終われそうです……
現実は,どうでしょう。わたしも若いときは,1学期の範囲となっている学習内容をとにかく教えて
終わった経験があります。これでは,学習が苦手な子どもへの定着は怪しいものです。
A. と言いたいところだけど,現実は,BやCが多そうです。
でも,
何とかして,子どもたちに力をつけたい……。
と思うのは,ほぼ全教師が願っていることです。
全部じゃなくても,何か1つだけでも……。
1つだけなら……。できそうな感じがしますね。先生が,できそうな実践から取り組むって,
大切なことです。できないと決めてしまって,やらなかったら,子どもたちも先生も伸びません。
子どもの中ですぐに,
「できない。」
と言ってやらない子どもがいます。その子どもには,
「できないと言えることは大切なことだよ。でもね,ある言葉をつけて言わないと,
本当にできなくなってしまう。それはね,
『まだ』だよ。まだできないとね。」
「まだできない」は,そのうち,「できるようになる」に通ずるからです。以前サークルの
先輩から教えていただいたことです。
子どもたちの学習の能力
子どもたちの学習能力は,次の6つに分けられます。
読む・書く・話す・聞く・計算する・推論する
です。
これらの学習で欠かすことができないことは,
文字を書くこと
です。その中でも,
漢字の学習
に焦点を絞ります。
漢字の学習
漢字の学習は,
漢字ドリル・漢字スキルなどの副教材
百字帳・おけいこちょうなどの漢字練習帳
漢字歌・漢字九九・リズム漢字などの音読
ミニテスト
などに取り組むのでしょう。漢字歌・漢字九九・リズム漢字などは,検索するとたくさんの実践が出てくるので,
参考にすると良いでしょう。わたしもたくさんの実践を積んできました。
こんなものを作ってみました
副教材は,専門の業者さんにお願いするとして,わたしは,
百字帳・おけいこちょうなどの漢字練習帳
ミニテスト
を自作しました。これらの教材は,当日のセミナーで参加者に配布しました。
実際にファイルを開き見ていただきました。印刷されたサンプルもお渡ししました。
漢字練習帳には,ティムさんが作成された漢字の筆順フォントを使っています。
だから,漢字の筆順が印刷されるのです。もちろん,筆順は,1つでは無いため,
原則をもとに一例が示されています。
漢字練習帳は,市内で使われているノートの枠をベースに,本校のいくつかの学年の漢字の練習を参考にしながら作っています。
ミニテストは,
出題ファイル,テスト用紙ファイル,児童達成度ファイル,再チャレンジテスト用紙のファイルを分割して,
出題ファイルを変更すれば,すべてが変更される
ようにしています。児童達成度ファイルは,
個別にどの漢字が書けて,どの漢字が書けないのかが一目で分かる
ようにしています。そしてその結果は,再チャレンジテストと連動され,
間違った漢字のみの再テストを印刷することができます。
指導は,3つの学習型 を意識しながら行います。漢字力は,これでアップ間違いなしです。(たぶん……笑)
どこかでわたしを見かけて,お声をかけてくだされば,使用感を教えていただくということで,お分けします。
関田 聖和(せきだ きよかず)
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。
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