2012.05.14
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3つの学習型を入れた授業の組み立てを

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 クラスづくりは順調に進んでいますか。それとも少し迷っていますか。

 

人間や組織が成長するときは,常に「右肩上がり」ではなくて,右肩に上がっていくときは,

スパイラルとなって,上がっていくのです。今,ちょっと落ち込んだ感じであっても,

上がっていくための準備段階かも知れません。

 

 学習の方はどうでしょうか。わたしは,分かる授業,できる学習内容の連続であれば,

子どもたちは,落ち着いて学習活動に取り組むことができると考えています。

 

 そこでわたしが,授業を組み立てるときに意識していることを綴ってみます。

 

学習する時の3つの型

 人間が,何かを習得するとき,そのタイプを分けると,大きく3つに分かれるそうです。

それは,視覚型,聴覚型,運動型です。定着させたい学習内容をこの3つの型を意識して,組み立てれば良いのです。

そうすれば,どれかの手立てで子どもが理解しやすくなります。 

 

<視覚型>
 視覚型のタイプを簡単に言い表すと次のようなことが言えます。

☆ 眼で見て覚えることが得意 

☆ 図や表にまとめることが得意

☆ 記憶するとき,メモを取るときに図や表を使う


 そこで,学習支援として,次のようなことを取り入れるのです。

 

○ 視覚効果を意識したパソコンソフトの活用

○ 教科書と同じ内容の掲示物の活用

○ 漢字や九九など,ワークシートを見ながら,唱える

 

など。よく「視覚支援」と言われ,たくさんの取組や手立てがあります。

 

<聴覚型>
 聴覚型のタイプを簡単に言い表すと次のようなことが言えます。

☆ 耳で聞いたり,しゃべったりして覚えることが得意

☆ 聞いた言葉をテープレコーダーのように再生することができる

☆ 言葉遊びが得意


聴覚型を意識した学習支援の例を挙げると,


○ 声に出しながら,文を読む,字を書く

○ 計算の手続きを話す(復唱法)

○ 漢字や九九などを唱える

 

となります。

 

<運動型>
 運動型のタイプを簡単に言い表すと次のようなことが言えます。

☆ 手を動かして書いたりゲームなどをして体全体を使ったりと体で覚える

☆ 図工や体育が得意

☆ 聞いたこと,読んだことを実際にやってみる方が理解が早い

 運動型を意識した学習支援は,たくさんの先生方が取り組まれているのかも知れません。

どんどんやってみることになります。


○ 実際に筆算の計算をする

○ 説明しながら,やらせてみる

○ 字などは,空書きをしたり,字の上を指や鉛筆でなぞらせる

 

 空書きなどは,頭の先から足の先までを結んだ身体の真ん中の線(正中線)を左右に

またぐようにすると効果的です。手を組んで取り組む方法があります。

 

 漢字指導では

 分かりやすい漢字指導で例えてみます。

一つの文字を学習するときに,大きな字で板書をします。そして,漢字の読みを音読させます。

これらは,視覚型と聴覚型に当てはまります。

 そして空書きをしたり,指で漢字をなぞったりすることは,運動型になります。このときに,

画数や漢字のパーツを使った書き取り歌などを使うと聴覚型の子どもに有効です。

 最後に書き取りの練習になります。運動型に有効です。その漢字を見て,これも,上記の

ように声に出して言うことで,視覚型にも聴覚型にも有効になります。

 ちょっとした一工夫で,どの子どもの学習型に合うようになります。他教科でも活かしたい

学習の型です。


 ここからはおまけです。子どもたちには試しにくいですが,次のようなサイトの記事もあります。

コーヒーブレイクに,いかが……。こっちの方がおもしろかったら,すみません……。

知らずに損していたかも…イギリスの学校で教えられている「3つのタイプ別学習法」
 

  

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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