本校4学年では、総合的な学習の時間で、「食」をテーマに活動を行います。本校では学校田や学校農園などの体験活動が盛んで、それをきちんとした学習に位置づけていこうと、今回のテーマを決定しました。
しかし、唐突に児童に対して、「調べたみたいことや取り組んでみたいことは?」と聞いても、児童側の準備ができていません。そこで、「食」について取り扱っている新聞記事のスクラップを行い、単元に入る準備をすることにしました。
第1回目のスクラップは、「魚離れが進み、お年寄りも魚を食べなくなってきている」という記事です。記事には、お年寄りの1人暮らしが多くなり、手間がかかる魚料理が敬遠されるようになったことや、食の趣向が以前とは変わり肉の方が喜ばれるようになったことなどが書いてありました。また、魚をもっと売るためにあるスーパーでは、朝捕れた魚を鮮度抜群の状態で売っているということも紹介されていました。
第2回目のスクラップでは、「肥満防止のために、食事では野菜を先に食べるとよい」という記事をとり上げました。さらに第3回目のスクラップでは、「会社などでカットされたフルーツを売る自動販売機が置かれるようになり、手軽にフルーツを食べられるようになった」という記事をとり上げました。
児童はこれらの記事をざっと読み、スクラップをした後に、この記事のタイトルを自分のオリジナルで考えたり、「記事にどんなことが書いてあるか」を書き出したり、さらには自分の考えたことを書いたりしました。
食に関する新聞記事をスクラップする活動を通して、「食」に関する子どもの頭の中にあるアンテナが立ち、単元の学習に入る準備ができてきます。児童がこれからどんな課題を立てるか楽しみになってきました。
(写真はスクラップをしている児童の様子です。)

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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