こん○○は。もしくは,おはようございますでしょうか。大型連休がスタートして,子どもたちも,先生方もそわそわしているのではないでしょうか。
そのような時期に,授業参観が行われるところも多いことでしょう。本校も,4月にPTA役員を決めるために1度。5月の大型連休明けの休日に1度行われます。
初めての授業参観では,
「うちの子どもは,新しいクラスでうまくやっていけているのか」
「友だちは,どのような子どもがいるのか」
を保護者が自分の眼で確認することが中心となることでしょう。そして,PTA役員選挙に氣持ちが集中。なかなか先生がどのような授業をされているのかまで,見ていないことが多いそうです。
しかし2回目は違います。今度は,先生の授業をしっかりと見ています。では,そのために,どのようなことに氣を配っていればいいのでしょうか。わたしが氣にかけていること3つを国語の授業実践から紹介します。
子どもが活動している姿を
授業参観で保護者は,何を一番見ているか。それは,
「子どもが先生の言ったことに対して,何をどれぐらい反応しているか」
「そして,できているのか」
を見ています。その時に,子どもが動いていない,つまり,「活動していない」,「活動できない」状態を見せられてしまうと,不安になります。そうならないために,
「活動のある授業展開」
を考えたいものです。
国語ならば,音読だったり,漢字の書き取りだったり,どの子どもも取り組みやすいものにします。子どもがじっとしているのではなく,活動できるからです。
「ああ,先生の言うことを聞いて,できているな。」
と思ってもらえることです。
班指名,列指名など苦手な子どもも取り組むことができるように配慮したいですね。
学習内容が知的好奇心にあふれるものを
次に,どれだけ活動していても,それが,学習として成立していなければなりません。活動しているだけなら,「遊んでいる」とみえることがあるからです。だから,
「知的好奇心あふれる学習」
を考えたいものです。
良く知られた実践では,「漢字探し」です。いろいろありますね。少し挙げてみます。
・ウルトラ鉄板!「田」の字に「×」を入れた図や「東」の中から漢字を探す
・これまた鉄板!□に2画を足す漢字探し
・「イ(にんべん)」のつく部首漢字探し
・「5画で書ける」,画数漢字探し
・漢字の中に片仮名が隠れている片仮名漢字探し
・高学年ならできる「林」「日」などの対称になっている対称漢字探し
・4,5個の漢字とある漢字をつなぐと言葉になる言葉漢字探し
・新聞の中からある特定の漢字を探す新聞漢字探し
このような実践に取り組んできました。このまま実践するのでは無く,ビンゴゲームにして取り組むこともありました。またワークシートを子どもに配布するだけで無く,保護者にも配布し,一緒に考えてもらったり,「おうちの人に聞いてもいいよタイム」を導入して,保護者もいっしょに学習することもよくやりました。
さりげなく,先生の持ち味のアピールを
3つ目は,
「自分の得意分野を活かす」
ことです。あまり目立ってしまうと子どもたちが置いてけぼりになるので,さりげなくがポイントです。
わたしは,自前の電子黒板をもっています。以前の学校では,3台あったスマートボード(スマートテクノロジーズ)を使っていました。今の勤務校は,教室が狭いため,eB-P インタラクティブユニット(内田洋行)を使っています。こちらの実践については,市内を始め,養父市などの研修会で講師等もさせてもらっています。その都度,感嘆の声を聞きます。授業参観で使うと,子どもたちだけでなく,保護者からこの声が起こるのです。
電子黒板の威力を発揮するためには,コンテンツが命です。わたしは,「子どもが夢中で手を挙げる算数の授業」(さくら社)のDVDソフトをよく使います。これは,数クリックで使うことができ,この操作のほとんどを子どもたちにさせています。電子ペンを子どもが操作して,算数の課題に挑戦する姿を保護者が見ると,
「こんなこともできるようになっていくのですね。よろしくお願いいたします。」
との声を連絡帳にいただきます。
または自作の「楽習」教材を使います。
「百人一首」や「四字熟語」などのカードを使って学びます。保護者を交えて,対戦型にすることもあります。
1年生でもしたことがある実践です(写真上参照)。それだけ,教材に力があると感じています。
参観までに取り組んでおく
わたしが尊敬する野中信行先生は,
「教室の『空気』の統率を1週間で」
「教室の『時間』の統率を1か月で」
とおっしゃっています。この記事が公開されるころが,学級がスタートとして1か月弱の頃。「時間」の統率が完成する頃でしょうか。
上記の参観授業の実践は,事前に取り組んでおくこと大切です。参観中に,
「次は,○○です。」
と声をかけると子どもたちから,
「やったあ。」
「いえい。」
などと歓声が挙がるともう成功と言えるでしょう。不安が強い子どもにとっても,大切な視点です。準備としての事前取組だと捉えてください。
百人一首などは,事前に取り組んでおかないと,保護者と対戦はできません。圧倒的な勝利を子どもたちに勝ち取らせたいので,3日間は,取り組ませたいものです。
大型連休明けに授業参観がある先生。それだけでなく,6月に実施される先生。どうぞ,試してみてください。
関田 聖和(せきだ きよかず)
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。
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