現在、勤務校で担任するクラスで実践する他、この4月から幼稚園の年中になる息子と親子で「辞書引き学習」を行っています。「辞書引き学習」は中部大学現代教育学部准教授でいらっしゃる深谷圭助先生(前立命館小学校長)が提唱されている学習法で、辞書から知っている言葉をさがし、その言葉に付箋で印をつけていく学習法です。この学習で、自分で学ぶ基礎ができ、言葉の力も向上することが報告されています。
息子との辞書引きでは、まだ息子が字を書けないため、見つけて読んだ言葉を親の私が付箋に書いてあげるようにしています。食後の時間を中心に毎日コツコツと取り組んできました。1月から3月までのおよそ3ヶ月間で付箋が2000枚に達しました。息子も大変自信をもてたようです。
息子との辞書引きを行っていて気がついたことや成果として感じたことがいくつかあります。
・ひらがなだけではなく、まだあまり読めないカタカナに興味を示すようになってきた。
・人や物の名前に興味をもつようになってきた。
・辞書に収録されているイラストと言葉を結び付けられるようになってきた。
・日々の生活の中で経験したことを示す言葉を辞書の中から見つけようとするようになってきた。
・最初は2~4文字の言葉ばかり見つけていたが、多い文字の言葉を見つけるようになった。
(例えば、さいごうたかもり、じゃくにくきょうしょく、たいらのきよもり など)
・抽象的な言葉にも興味をもってきた。(「ひかく」など)
そして、言葉とは関係ありませんが、付箋の貼り方も上手になってきました。最初は線にそってまっすぐ付箋を貼ることができませんでした。
(写真は2000枚を達成した時の様子です。)

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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