2012.04.16
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新年度がスタートして,いかがお過ごしですか

兵庫県小学校 特別支援教育士(S.E.N.S)・特別支援教育Co 関田 聖和

 「教育つれづれ日誌」に,執筆させていたくことになった関田 聖和(せきだ きよかず)です。

貴重な誌面を使って発信の場をいただけることに感謝しています。日々考えていること,実践や自作教材を紹介します。

 小学校教師ですが,特別支援教育士(S.E.N.S)のメンバーでもあります。特別支援教育の視点で,楽しく学んで力をつけることができる「楽習」の時間を,「楽習」教材を使って……。

 そして笑顔で育てる「笑育」をモットーに,お話します。お茶でも飲みながら,ゆるりと読んでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

子どもを「みる」

 新学期が始まり,ほぼ1週間から10日間が経ったのでしょうか。みなさんは,いかがお過ごしでしょうか。

 このわたしも落ち着いて子どもと向き合えているのか,はなはだ疑問ですが,一年間かけて力をつけていくのですから,焦らずに子どもをみているのだろうと思います。

 「みる」をあえて,平仮名で書いているのは,様々な意味の「みる」があるからです。それは,

「見る」……視覚的に見る

「覧る」……全体を一望するように覧る

「観る」……見物するように観る

「視る」……視点を絞って視る

「看る」……氣を配る

「診る」……医者のように体,健康の状態を診る

があると考えているからです。

 子どもたちと学級や学校のルールを確認しながら,子どもを「みる」のです。そして記録します。

 でもこれは,物理的にみえるので,どの先生でもやられていることでしょう。

特別支援教育の視点で「みる」

 わたしは,これ以外に,目線・左右の力の入れ方・足踏み・立ち姿勢・座り姿勢・鉛筆の持ち方・絵・文字・漢字・計算・音読などの子どもたちがとる行動から,子どもを「みて」います。

 これらから,みえないけど,みえていることがあるのです。それは,もっている力のバランス・器用さ・体の使い方・親子関係・内面に抱えているもの(こと)・学力など。

 これらから,子ども自身,まだ心を開こうとしていないのに,開いている,発信していることを「みて」います。「みる」というよりは,「捉える」という言葉の方が適しているのかも知れません。

笑顔で育てる「笑育」

 「みる」と言っても,私自身がとどまっているのではありません。ほとんどの先生と同じように,子どもと話し,遊び,授業を創っていく中で,「みて」います。その中で大切にしていることが,「笑顔」です。

 わたしは,一目を置いている人,尊敬をしている人,もっと平たく言うと,好意をもっている人からの忠告は,素直に聞くことができます。それとは,逆の立場の人からの忠告は,正論であっても,なかなか素直に聞くことはできません。これは,わたしだけじゃ無く,誰でも当たり前のことなのかも知れません。

 子どもも同じなのです。

 だから,子どもから好かれなくてはいけません。迎合するのではありません。先生として好かれるのです。

 そのためには,こちらから心を開かなくてはいけません。心を開く簡単で奥深い方法に,「笑顔」があるのです。

 子どものどんな言動に対しても,まず「笑顔」。わたしはこれを「先手必笑」と若手に説明をしています。

 良くない出来事であってもです。そして叱らなくてはいけないときには,叱るのです。でも,「笑顔」を忘れずに……。

「じゃ,関田先生は,大きな声で叱らないのですか。」

と問われることがあります。もちろん,命に関わるようなことをしてしまった子どもには,厳しく話します。顔も強ばらせて叱ります。しかし体の一部を笑顔にするのです。

子どもは,みんな伸びたいと思っている

 わたしは,子どもを叱るとき腕や体に触れます。大抵は,子どもの左側に寄り添って,左腕を握っています。

 その時に,口調は厳しくするのですが,腕をもつわたしの手は,ゆるく力を抜いて握ります。つまり,怒っているのでは無く,君のために,叱っているのだということを握っている掌から,伝えるようにして……。

 子どもは,素直に話してくれます。そして次第に目と目が合います。目と目が合ったら,掌と同じように,まなざしを優しくします。

 そして普段の良いところを伝えつつ,行為の何が悪かったのか,どうすれば良かったのかを話します。

 場合によっては,その行為を目の前でやって見せたり,させてみたりします。

「これができるようになったら,ぱわぁあっぷできるね。」

と結びます。どんな子どもでも,子どもは伸びたいと思っています。だから学校に来ます。特に新年度スタートのこの時期を大切にしたいです。

 わたしが尊敬している野中信行先生も,著書「学級経営力を高める3・7・30の法則」でおっしゃる30日には,まだ半分以上残っています。子どもを「みて」,子どもには,「先手必笑」で,力をつけていきたいものです。

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県小学校 特別支援教育士(S.E.N.S)・特別支援教育Co
「楽習」教材開発と「楽書き」の取組を中心に据え、同僚・教師仲間と共に日々実践を積んでいる。その実践の一部を著書『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』にて収録。ほか『授業力の開発』シリーズ(明治図書)等共著多数。

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