3月11日で、あの東日本大震災から1年。テレビや新聞では毎日震災関係のニュースが流れていますが、特にここのところは被災されて苦しんでいらっしゃる方々のニュースが多く流れています。震災から1年を迎えるにあたり、児童ともう一度震災について考えてみたいと思いました。
担任する2年生のクラスでは、これまで防災教育の一環として、大震災があった日のことを思い出し作文に書いたり、地震に備えるためにどんなことが必要かをみんなで考えたりする活動を行いました。家族で防災について話し合った児童もおり、防災意識が高まってきました。
今回は、児童と震災に関する新聞写真をスクラップして、震災についてもう一度考えてみました。保護者の方の協力もありたくさんの新聞写真が集まりました。
・奥さんとお孫さんを震災で亡くし、今でも遺影と一緒に寝ている写真
・通学路に津波で流されてきた大きな船が今でも残されている写真
・避難している場所で食事がふるまわれている写真
・津波で流され何もなくなってしまった街の写真
どれも、震災の大きさや被災された方の悲しみの大きさを克明に示しているものばかりでした。
児童は、これらの写真にタイトルをつけたり、感想を書いたりする活動も行いました。
「津波はほんとうにおおきかったんだなあ」
「はやくげんきになってほしいなあ」
「どうしてはやく家を建ててあげられないのかなあ」
など、思い思いに感じたことを綴っていました。
これからも、児童が震災に関するニュースなどに興味を持ち、防災意識を高めながら、被災された方へいつも思いを馳せるようになってほしいと思っています。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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