2012.03.03
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『幼稚園年少でも辞書引き学習スタート』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 

 現在担任している小学校2年生で「辞書引き学習」を実践しています。クラスの半数以上の児童が半年で目標の付箋2000枚を超えました。辞書引きを実践することで集中力もついてきたように感じます。また、言葉に対してとても敏感になったような気がします。

 

 この学習は幼児の教育にも生かせるのではないかと考え、幼稚園年少の息子にも辞書引き学習をさせてみることにしました。もちろん息子はひらがなが少し読めるようになってきただけで、字はかけませんので、息子が辞書の中から読める言葉をさがして、私が付箋にもじをかいてあげるようにしています(写真左)。最初は「まだ早いのでは・・・」と半信半疑でしたが、それは杞憂でした。一週間で付箋の数が800枚を超えました(写真右)。毎日50以上の言葉の辞書引きをしています。辞書の中から自分の読める言葉をさがして一生懸命に読んでします。

 

 幼児の辞書引きを行って気が付いたことがいくつかあります。

 

・辞書の言葉を通して親子のコミュニケーションが図れること。(子どもと読んだ言葉をつかって親が文をつくってあげたりする。)

・子どもの読み方の癖がつかめる。(私の息子は2文字のものを逆さに読んでしまう癖がある。)

・子どもの読み方の習得状況が分かる。(私の息子はまだ濁点・半濁点の文字がうまく読めない。)

・子どもの好きな言葉が分かる。(私の息子は「みそしる」など、料理に関する言葉が好きである。)

・辞書の言葉から子どもと経験したことを整理することができる。(「とまれ」の標識を見たことなど。)

 

など、様々です。現在、中部大学准教授である深谷圭助先生が小学校1年生からの辞書引き学習を薦めていらっしゃいますが、幼児からでもやり方次第で辞書引き学習が可能であると考えています。このような方法により子どもに骨太の言葉の力をつけられるのではないかと考えています。まずは自分の息子で実践をしてみようと考えています。

 

(写真は息子の辞書引き学習の様子です。)

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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