2012.01.14
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『新聞スクラップをはじめてみよう』(低学年の先生方へ(3))

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 

 新聞を活用した学習を行う際に、手軽で取組みやすい活動が「新聞スクラップ」だと思います。前回のつれづれ日誌では「スクラップに必要なもの」を紹介させていただきました。今回はスクラップを行う際の手順について考えてみたいと思います。

 

(1)記事の選定

 まずは児童が気に入った(気になる)記事選びからはじまります。児童が家庭から持参した新聞から記事を選びます。クラスの児童全員が新聞を開いて記事を探している様子は圧巻です。新聞をめくる時にうまくめくれずに混乱するのではという心配が当初はありましたが、低学年の児童でもそれなりに上手に新聞をめくりながら記事を見つけることができるように感じます。ぜひ新聞の中から気に入った記事を探す活動を多く取り入れてほしいと思います。

時間がない場合には家庭で記事を選んできてもらうこともよいのではないかと考えています。その際にはぜひお家の方にもお願いして一緒に記事選びをしていただくようにするとよいでしょう。それだけで家族とのコミュニケーションも増え、大人の考えなども聞いたりすることができるからです。朝自習などを活用してスクラップを行う際には事前に記事を選んでこさせることも有効です。

 しかし、できるだけ教室で記事選びもさせたいところです。ジャーナリストの池上彰氏が著書の中で、新聞を読むことによって自分の興味関心とは異なる「ノイズ」に触れることによって自分の世界を広げることができるということを述べています。児童が様々な「ノイズ」に触れながら記事を選んでいる姿を教師はぜひ見ていたいものです。児童の新たな発見にもつながると思うのです。

(2)記事の切り取り・貼り付け

 記事が見つかったら記事を切り取り台紙やノートに貼り付けます。はじめのうちはどこまでが同じ記事なのかが分からないこともありますので、ラインマーカーなどで記事全体を囲んで印をつけてから切るようにするとよいでしょう。貼り付けの際は準備のところでも述べたように、スティックのりを使うとべたつかずに、上手に貼りつけることができます。児童は回数を重ねるごとに上手になってきます。

(3)タイトル・要約

 記事が貼れたら記事についてまとめていく作業をします。明治大学教授の斎藤孝氏はスクラップをしたら、「記事の背景」「記事の概要」「今後どうなるか」を書いておくとよいと述べています。しかし、慣れるまではかなり時間がかかってしまうため、記事について自分なりの見出し(究極の要約)と5W1Hを書きだすだけでもよいと思います。

(4)感想

 最後に感想をまとめます。感想を書く際には「よかった」「おもしろかった」だけでなく、「どうしてこの記事や写真を選んだのか」「記事を読んで自分とどうかかわると思ったか」なども書くようにすると活動に深まりがでてくると思います。低学年の場合は「○○が●●だったからこう思った。」ぐらいの感想でもよいでしょう。

 

   低学年で実施する際には、(3)の作業が大変になってくると思います。子どもの実態に合わせて、タイトルだけつけさせるなどの取組でも十分だと思います。ぜひ、新聞スクラップをはじめてみてください。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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