2年生の体育授業で「ハードルリレー」を行っています。児童がリズムとバランスよくハードルをとびこえ、全力で走る体験をします。これまでも、折り返しリレーなどに取り組んできましたが、今回はハードルという障害が入ることで少し難しくなります。児童と一緒に元気に単元をスタートしました。
今回の工夫点は、ハードルとダンボールにしたことです。ダンボールにした理由は、もちろんミニハードルのような用具が学校に揃っていないこともありました。しかし、身のまわりになるもので何かハードルになるものをはないかと考えたときに、ふと教材が入っていた大量のダンボールがあることに気づきました。このダンボールを使ってハードルを作りました。
ダンボールは非常に軽いので児童が準備をする際に大変やりやすくなります。また、コースのどの部分にハードルを置くかで走り方が変わってくるので、児童が工夫する視点にもなります。近くに置けば最初にとびこえてしまえるので後半は全力疾走ができる。また、後の方におくと最初に全力疾走して、スピードにのれる。あるいは、均等におくと同じペースでずっと走れるなど児童に考えるチャンスを与えられます。
児童は、
「もう少し後ろに置いた方がとびこえやすいよ」
「最初にとびこえた方が速く走れそうだよ」
「わたしは苦手だからできるだけふつうに走るコースを長くしたいな」
などと話し合いながらコースにダンボールを置いていました。ダンボールのおき方で順位が変わることもあり、大変盛り上がりました。
今回の取り組みから、用具の簡単な工夫で楽しく、そして手軽に児童の思考を引き出す授業づくりができるのだと感じました。今後とも様子の工夫をしてみたいと思います。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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