今年度から小学校で新学習指導要領が完全実施になりました。その中で新聞を活用した学習(NIE)が明記され、各教科書にも新聞を活用した単元が随所に見られるようになりました。今後、これまで以上に新聞を活用した実践が増えてくるものと考えます。
そこで、新聞を活用した学習が教科書で始まる前のベースづくりが大切になってくるのではないかと考えています。特に、低学年において新聞に親しみ、興味関心をもつようにしておくことが、のちの学習に生きてくると思います。今年度は初めての2年生の担任になりましたので低学年での新聞活用を試みていきます。
今回、スタートとして行ったのは、国語科の「新聞からカタカナをさがそう!」です。1年生で学習したカタカナをもう一度復習し、学習への興味を高めるために行いました。児童は、新聞社から提供された小学生新聞を一人一部ずつ手にしてその中からカタカナを使っている言葉を見つけていきました。
「みてみて先生、みつかったよ!」
「こんなにたくさんあるんだね」
「なんこぐらいあるんだろう」
と、口々に感想を述べながら楽しく活動を行いました。一日分の小学生新聞に500個近いカタカナが使われている言葉がありました。短い時間でしたが、児童はカタカナが使われている多さを実感していました。
カタカナ探しの後は見つけたカタカナの分類を行いました。「外国からきた言葉」「外国の人や場所の名前」「声や音」「その他」に分けていきました。
「先生、マンガの中には言葉があるね」
「外国からきた言葉が一番おおいな」
「どこかわからないけどアメリカとかワシントンって書いてあるよ。これは外国の場所だよね」
と、ワイワイガヤガヤ、楽しく分類作業を行っていきました。
今回の学習を通して、前学年で学習したカタカナの大切さを実感し、学習への意欲を高められたと思います。後日、大人用の新聞でもカタカナ探しを行ったと児童から報告を受けました。今後も低学年での実践を行っていきたいと思います。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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