2010.06.07
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『学級の教科書』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

  今年度、担任をする児童に「学級の教科書」を配布しました。「学級の教科書」は私がどのような学級にしたいかという思いや学級の約束事などが書かれており、主に生活指導で活用します。また、ノートの書き方や学習の取り組み方など、授業を受けるにあたっての基本的な事項も載せてあります。さらに、読書や行事の記録などができるようになっており、1年間の思い出が詰まっていくようにもしてあります。

教科書の内容は以下の通りです。

1 先生はこんな先生です
(自己紹介・先生の夢・先生の教育理念)
2 みんなでクラスをつくろう!
(クラス目標・クラスのブランドづくり・生き方モデル)
3 みんなに守ってほしいこと
  (心のコップ・あいさつ・返事・そうじブロークンウインドウ理論・班活動・係活動
   いじめはぜったいにだめだよ・先生がみんなをしかるとき・授業の受け方) 
4 みんなで気持ちよく学習を進めよう
  (使う用具・ノートの書き方・宿題について・小テスト・話し合い・学級会の進め方
   時間割・日直の仕事)
5 1日の生活
  (朝自習・朝の会・朝のスピーチ・授業・休み時間・給食の時間・そうじの時間
   帰りの会)
6 この1年を記録していこう
  (身体測定記録・新体力テスト記録・エゴグラム・自分のよいところノート
   行事感想用シート・行事写真館・読書の記録)
7 終わりに
  (1年を振り返って・先生からのメッセージ)

 この教科書を作ろうと思った理由がいくつかあります。まずは、私自身が児童に対してぶれない指導をしたかったということです。これまでは、学級をこのようにしたいという思いはあっても、児童の実態や仕事の忙しさの中で指導の徹底ができないことがこれまで多くありました。
 たとえば、きちんとあいさつや返事の指導をしようと思っても、なかなか成果が出ないとそのままあいまいにしてしまうことや、基礎学力をつけるために毎日小テストを行おうと思っていても、忙しさの中で行わない日が増えてしまったりしました。しかし、教科書に宣言してありますので指導をしないことは許されません。私自身もきちんと指導を徹底することができてきました。

 また、児童に価値観教育をしたいということも理由の1つです。これまで「どうして机の整とんをするの?」「どうして掃除をするの?」「どうしてあいさつをしなければいけないの?」という児童の問いにいつも場当たり的に答えてきました。しかし、教科書に「あいさつとは・・・」と私の考えを載せてあるので、いつでもこの教科書に戻って児童と確認することができます。

 さらに、児童とこの1年の学級生活をきちんと記録していきたいということもありました。教科書の後半のページには児童が行事の際に思い出をつづったり、写真を張り付けたりするページがあります。また、読書の記録や自分の成長の記録も行うようにしています。1年間が終わったときにこの教科書で振りかえられるようにしていきたいと考えました。

 学級の教科書を使ってこれからもよりよい学級づくりを進めていきたいと考えています。

*写真は学級の様子です。
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菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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