2009.08.31
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『人の役に立つ生き方をしていく』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 夏休みに入り、出張で長野へ向かう新幹線に乗っているときに、ふと電光掲示板に目をやりました。すると、

「仏教界の長老、元龍源寺住職、松原泰道氏死去。101歳」

というニュースが流れました。そのニュースを見た時に私はショックでしばらく動けない状態になってしまいました。松原泰道先生は私が心のよりどころとしている方で、毎年春と秋には先生の講演を聞きに行き、大切なことをいつも教わっていたからです。

 松原泰道先生は東京の三田にある龍源寺の元住職で、ベストセラー「般若心経入門」で一般の方にも広く知られています。一般向けに平易に仏教の教えを説く活動を行っておられ、100歳を過ぎた後も講演活動などをされていらっしゃいました。

 松原先生に初めてお会いしたのはもう7年前のことになります。その時に、

「衆生無辺誓願度」(しゅじょうむへんせいがんど)

というお話をしていただきました。これは、菩薩の4つの願い(四弘誓願)の一つで、世の中の全ての人を救いたいという願いだそうです。しかし、すべての人を救うことはできません。松原先生は、「この言葉から、まず隣にいる一人の人のためにできることをしていきましょう。」と教えてくださいました。

 ちょうどそのころ、始業前の朝のあいさつ運動を始めていたのですが、子どもたちにあいさつをしてもほとんど返事が返ってこないことに少しファイトを無くしかけていました。でも、このお話を聞いて「まずは自分が一人一人の子に気持ちをこめてあいさつをすることが大切なんだ」と思うようになりました。そう思うようになってから、子どもたちのあいさつもよくなったような気がします。これからも、松原先生の教えを守り、心をこめたあいさつをしていきたいと思います。

 晩年、松原先生は『縁』『めぐりあい』ということを繰り返しおっしゃっていました。人は一人では生きていけない。だから人との縁を育て、人のためにできることをしていくような生き方が必要だということをお伝えになりたかったのではないかと思います。そんな生き方ができるようになりたいとあらためて思いました。


*写真は松原先生の入滅を知った日に訪れた善光寺のものです。
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菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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