2009.08.17
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『理念をしっかりともってNIEを』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 7月30日・31日と長野県を会場に「NIE全国大会」が開催されました。NIEとは“教育に新聞を”という意味で、教育界と新聞界が手を取り合って教育の中で新聞を活用していくことを言います。

 私は今年度から新聞教育文化財団から任命され「NIEアドバイザー」になり、NIEをもっと先生方に広めていく任務をいただいたので、その観点からも勉強させていただき、大変有意義な全国大会になりました。

 今回の全国大会1日目では「NIEを身近に引きよせる」と題してパネルディスカッションが行われました。NIEの実践者や新聞社の方が熱くNIEについて語りました。その中でこんな発言がありました。

 「どうして新聞でなければいけないの? 同じ効果が得られるなら何も新聞でなくてもいいではないか。」

 これはNIEに携わった者が必ずぶち当たる命題だと思います。新聞には一覧性・簡便性・記録性など他のメディアと違った様々な利点があります。でも、「なぜ新聞でなければいけないの?」と言われると言葉に詰まるところがあります。
 NIEはほかの教科や領域とは違って実践教科が複数の横断的になったり、総合的になったりします。実践される教科も様々です。そのため、教師が実践を共有し合うのが大変難しいと感じます。授業を行ってこんな効果が出たといっても、新聞でなくてもできるのではないかということになってしまうこともあります。

 その意味でも、NIEをなぜ行うのかという確固たる理念をもっていなくてはならないと思います。私自身は、NIEの目的を「社会とふれあいさせながら児童に生きる力をつける」としています。新聞の魅力は何と言っても内容が社会からのダイレクトな情報だということです。それを生かして授業実践をしています。

 これからもNIEが広まり、新聞を積極的に活用していく授業が増えるようにNIEのよさを伝えていきたいと思います。

 *昨年度のNIE授業の様子です。
http://www.manabinoba.com/index.cfm/6,10660,14,1,html?year=2008


 *写真はNIE全国大会の様子です。
P1010015.jpgP1010019.jpgP1010063.jpg

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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