2009.05.11
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『子どもたち一人ひとりを見つめるために』

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

「毎晩、クラスの子どもたちのことを思い出していくと、今日1回も話していない子がいることに気がつく。そうしたら、次の日にはその子にまず声をかけようとしていたよ。」
これは、私が5・6年生お世話になった先生から聞いた言葉です。児童にとって先生からもらう言葉は最高にうれしく、心の栄養になるものだと思います。

しかし、クラスには30人以上の子どもがいますのでなかなか全員の児童に声をかけられないことがあると思います。以前、どのくらい児童に声をかけているかを調べるために1週間の間集計をとったことがあります。

結果を見て愕然!たくさん声をかけている児童には1週間で100回以上も声をかけているのに、クラスの中で大人しく、あまり目立たない児童には10回もかけていないことがわかりました。私自身はそんなつもりはなかったのですが、知らず知らずのうちに声かけに偏りが出ていました。

以前担任した1年生の女の子がお別れの時に

「せんせい、わたしはせんせいにいちどもおこられたことがないんだよ」

というお手紙をくれたことがありました。これを読んだとき、この子はもっと私に話しかけたりしてほしかったのかなと感じました。大変しっかりとしている子で、学習も申し分なくできたので、私の目が手のかかる児童の方へ向いていたような気がします。

 そこで、今はクラスの児童全員に1日2回は声かけをしています。まずは、朝のあいさつ運動の時と朝の会の健康観察で必ず声をかけます。そして、給食の食器片付け時に一人ひとりに声をかけながら一緒に片付けをします。この2回は必ず行うようにして、その他の授業や休み時間にもできるだけ声をかけるようにしています。
 また、現在自分の研究教科としている、体育科の授業では児童の出来栄えや心理状態に合わせた声かけの工夫もしています。

 これからも、児童にあたたかい言葉をかけ、よいクラスづくりを行っていきたいと考えています。
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菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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