本校では数年前より「楽しく仲良く鍛える体育」をテーマに体育科の授業づくりや児童の体力向上をめざして研究を行っています。
その研究の一環として、桐蔭横浜大学の松本格之祐先生にご指導をいただいています。松本先生は長く筑波大学附属小学校に勤務され、その後びわこ成蹊スポーツ大学教授、そして桐蔭横浜大学教授を歴任されています。ご専門は体育課教育法でこれまで多くの著書を通して体育授業のあり方についてご提言されています。
今回、本校の2年生を対象に示範授業をお願いいたしました。授業のテーマは『器械・器具の運動遊び:マットの「川わたり」に関連した運動とその指導』で、多様な運動を楽しく行うことにより体力が高まり、3年生以降のマット運動につながる動きを身につけられるというご提案でした。
授業ではまず、折り返しの「じゃんけんリレー」が行われました。ケンケンで進んだり、犬歩きやウサギ跳びを織り交ぜながら児童に多様な動きを経験させていました。また、相手のチームとじゃんけんをして負けたらカエルの足うちを行うなど楽しく負荷のかかる運動にも取り組ませていました。
次は、「かべ倒立」です。児童は体育館ステージに足をかけて逆立ちのようになり、隣の子とじゃんけんをする運動を行いました。普通なら苦痛になってしまいそうなこの運動もじゃんけんという要素を入れたり、その場で手を動かす運動を混ぜることによって児童の集中力が途切れることがありませんでした。また、苦しくなってきたら、友達同士でおなかを支えあうなど、助け合いの活動も取り入れていただきました。
最後に、「川とび」につながる運動としてゴムとびが行われました。2本のゴムを児童は手で体を支えながら跳びこえていきます。だんだんゴムとゴムの幅が広がっても児童はどんどんチャレンジして全員が跳びこえることができました。松本先生は児童が跳ぶ際の足の使い方を丁寧に指導されたり、児童の目線を合わせるために下に目の絵を置いてそれを見ながら跳ばせるような工夫もされていました。
児童は1時間たっぷり運動して、どの子も良い顔をして授業を終えることができました。今回の示範授業で私自身強く感じたことが2つあります。まずは、負荷の高い、普通なら苦痛に感じられるような運動でも、じゃんけんリレーにするなど、ゲーム化を図ることで楽しくできるということです。そのような工夫をしていくことが私たちの仕事であり、本校の研究の核の部分になると感じました。2つ目は、低学年のうちにいろんな動きを経験させて、中・高学年で行うさまざまな運動の基礎作りをきちんと行わなければならないということです。現在5年生でマット運動に取り組んでいますが、マットを使って運動する経験が少なく、なかなか新しい技に取り組むことができない現状があります。これから6年間を見据えて、系統立てた指導計画づくりをさらに進めていく必要があると感じています。
今回の示範授業を拝見して様々な気づきがありました。松本先生から学んだことを生かして今後も体育の研究を進めていきたいと考えています。研究会で松本先生が「子どもたちに“やればできるんだ”という思いを持たせることが大切で、それにはこれなら“できそうだ!”と子どもが思えるような工夫をしていかなければならない」とおっしゃったことが忘れられません。
松本先生本当にありがとうございました。
その研究の一環として、桐蔭横浜大学の松本格之祐先生にご指導をいただいています。松本先生は長く筑波大学附属小学校に勤務され、その後びわこ成蹊スポーツ大学教授、そして桐蔭横浜大学教授を歴任されています。ご専門は体育課教育法でこれまで多くの著書を通して体育授業のあり方についてご提言されています。
今回、本校の2年生を対象に示範授業をお願いいたしました。授業のテーマは『器械・器具の運動遊び:マットの「川わたり」に関連した運動とその指導』で、多様な運動を楽しく行うことにより体力が高まり、3年生以降のマット運動につながる動きを身につけられるというご提案でした。
授業ではまず、折り返しの「じゃんけんリレー」が行われました。ケンケンで進んだり、犬歩きやウサギ跳びを織り交ぜながら児童に多様な動きを経験させていました。また、相手のチームとじゃんけんをして負けたらカエルの足うちを行うなど楽しく負荷のかかる運動にも取り組ませていました。
次は、「かべ倒立」です。児童は体育館ステージに足をかけて逆立ちのようになり、隣の子とじゃんけんをする運動を行いました。普通なら苦痛になってしまいそうなこの運動もじゃんけんという要素を入れたり、その場で手を動かす運動を混ぜることによって児童の集中力が途切れることがありませんでした。また、苦しくなってきたら、友達同士でおなかを支えあうなど、助け合いの活動も取り入れていただきました。
最後に、「川とび」につながる運動としてゴムとびが行われました。2本のゴムを児童は手で体を支えながら跳びこえていきます。だんだんゴムとゴムの幅が広がっても児童はどんどんチャレンジして全員が跳びこえることができました。松本先生は児童が跳ぶ際の足の使い方を丁寧に指導されたり、児童の目線を合わせるために下に目の絵を置いてそれを見ながら跳ばせるような工夫もされていました。
児童は1時間たっぷり運動して、どの子も良い顔をして授業を終えることができました。今回の示範授業で私自身強く感じたことが2つあります。まずは、負荷の高い、普通なら苦痛に感じられるような運動でも、じゃんけんリレーにするなど、ゲーム化を図ることで楽しくできるということです。そのような工夫をしていくことが私たちの仕事であり、本校の研究の核の部分になると感じました。2つ目は、低学年のうちにいろんな動きを経験させて、中・高学年で行うさまざまな運動の基礎作りをきちんと行わなければならないということです。現在5年生でマット運動に取り組んでいますが、マットを使って運動する経験が少なく、なかなか新しい技に取り組むことができない現状があります。これから6年間を見据えて、系統立てた指導計画づくりをさらに進めていく必要があると感じています。
今回の示範授業を拝見して様々な気づきがありました。松本先生から学んだことを生かして今後も体育の研究を進めていきたいと考えています。研究会で松本先生が「子どもたちに“やればできるんだ”という思いを持たせることが大切で、それにはこれなら“できそうだ!”と子どもが思えるような工夫をしていかなければならない」とおっしゃったことが忘れられません。
松本先生本当にありがとうございました。
菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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