「○○すべき」をなくすために、教師が持っておきたい3つの意識
前回の話では、「○○すべき」が子どもを観る目を曇らせるという話をしました(「○○すべき」が子どもを見る目を曇らせる )。
今回は、「○○すべき」をなくすために、教師が持っておきたい3つの意識についてお話します。
埼玉県公立小学校 石井 雄大
一期一会の意識で子どもに向き合う
自分の指導方法のベースをもつことは大切です。ベースをもつことは指導の軸となり、子どもたちへの確実な指導につながります。しかし、同じものにとらわれないことも大切です。担当する学年の回数が増えていくと、以前受け持ったときと同じような指導になりがちです。
同じような指導になるということは、子どもたちの実態に合わせていないということです。実践したことを記録に残しておくことは重要ですが、再び同じようにやるのは注意が必要です。あくまで参考程度にとどめておく意識が求められます。特に、経験年数が重なると、この視点は弱くなりがちです。
以前行った実践を出発点に、目の前の子どもたちの実態に合わせて変えていくことも、私は子どもたちを観ていないことと同じであると感じています。「以前行った実践」が出発点となり、「目の前の子どもたち」が出発点になっていないからです。
「前に実践をしたときはよかったのに」「今度の子どもたちは全くついてこない」など、次第に教師の子どもたちを観る目が曇り始めます。子どもたちのせいにする場合も出てきます。
目の前の子どもたちに合わせて、一期一会の実践をつくる意識を持ちましょう。子どもたちと教師でしかつくれない実践をつくるのです。
いつでも相手を観て選択する。引き出しの多さが柔軟性につながります。引き出しの多さをつくるためにも、私たちは学び続けることが大切です。
子どもとどれだけ対話できたかを日々振り返る
作業しながらでも構いません。毎日3分間ほど、子どもたちと何を話したかを振り返りましょう。特定の子しか思い浮かばない場合は要注意です。子どもたちの状態を断片的にしか観られていない証拠です。
すぐに思い浮かぶのは、よく話しかけてくれる子、支援が必要な子、やんちゃな子など、比較的学級でも目立つ子です。ここで意識したいのは、中間層の子どもたちです。特に、「表立っては目立たないが、積極的な子」とどれだけ話したかが、大切です。
こうした子どもは「目立たないけれど、どんなことも一生懸命にやっている子」で、教室に一定数います。とても教師を信頼しているはずです。ここを見逃してはいけません。一番学級を支えてくれています。「観てくれているのかな?」と感じている子も多いはずです。
もし、しっかりと褒めることができていない場合は、まだ「○○すべき」の意識が強いのかもしれません。「当たり前にできている子は、当然」という意識が働いている可能性が高いです。
少し上機嫌でいることを意識して教室に立つ
子どもたちの前では、常に少し上機嫌になって笑顔でいてみましょう。すると、意外にも細かいことが「まあ、いいか」と思えてきます。
この「まあいいか」はとても大切な視点です。教師の心に余白を生みます。この何気ない余白は、子どもたちを受け入れる心のスペースを生みます。
心の余白は、子どもたちに安心感を与えます。すると、子どもたちが教師に信頼を感じ始めます。先人の教師たちが、「笑顔」を大切にしてきた意味がここにあります。
少し疲れていても、何があっても、2割増しの上機嫌で、笑顔でいましょう。

同じテーマの執筆者
-
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
-
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
-
兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
-
岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 主任
-
福岡市立千早西小学校 教頭 今林義勝
-
大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表
-
佛教大学大学院博士後期課程1年
-
東京都内公立学校教諭
-
明石市立高丘西小学校 教諭
-
木更津市立鎌足小学校
-
北海道公立小学校 教諭
-
東京都東大和市立第八小学校
-
浜松学院大学地域共創学部地域子ども教育学科 教授
-
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
-
静岡市立中島小学校教諭・公認心理師
-
東京都品川区立学校
-
岡山県赤磐市立桜が丘小学校 指導教諭
-
神奈川県公立小学校勤務
-
寝屋川市立小学校
-
大阪市立中学校教諭、日本キャリア教育学会認定キャリアカウンセラー
-
仙台市公立小学校 教諭
-
東京都内公立中学校 教諭
-
目黒区立不動小学校 主幹教諭
-
東京都公立小学校 主任教諭
-
尼崎市立小園小学校 教諭
-
千代田区立九段中等教育学校
-
大阪府泉大津市立条南小学校
-
岡山県和気町立佐伯小学校 教諭
-
合同会社Toyful Works 代表社員・元公立小学校教員
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事













アグネスの教育アドバイス
映画と教育
震災を忘れない

































この記事をクリップ
クリップした記事
ご意見・ご要望








