2026.01.28
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「○○すべき」をなくすために、教師が持っておきたい3つの意識

前回の話では、「○○すべき」が子どもを観る目を曇らせるという話をしました(「○○すべき」が子どもを見る目を曇らせる )。
今回は、「○○すべき」をなくすために、教師が持っておきたい3つの意識についてお話します。

埼玉県公立小学校 石井 雄大

一期一会の意識で子どもに向き合う

自分の指導方法のベースをもつことは大切です。ベースをもつことは指導の軸となり、子どもたちへの確実な指導につながります。しかし、同じものにとらわれないことも大切です。担当する学年の回数が増えていくと、以前受け持ったときと同じような指導になりがちです。

同じような指導になるということは、子どもたちの実態に合わせていないということです。実践したことを記録に残しておくことは重要ですが、再び同じようにやるのは注意が必要です。あくまで参考程度にとどめておく意識が求められます。特に、経験年数が重なると、この視点は弱くなりがちです。

以前行った実践を出発点に、目の前の子どもたちの実態に合わせて変えていくことも、私は子どもたちを観ていないことと同じであると感じています。「以前行った実践」が出発点となり、「目の前の子どもたち」が出発点になっていないからです。
「前に実践をしたときはよかったのに」「今度の子どもたちは全くついてこない」など、次第に教師の子どもたちを観る目が曇り始めます。子どもたちのせいにする場合も出てきます。

目の前の子どもたちに合わせて、一期一会の実践をつくる意識を持ちましょう。子どもたちと教師でしかつくれない実践をつくるのです。
いつでも相手を観て選択する。引き出しの多さが柔軟性につながります。引き出しの多さをつくるためにも、私たちは学び続けることが大切です。

子どもとどれだけ対話できたかを日々振り返る

作業しながらでも構いません。毎日3分間ほど、子どもたちと何を話したかを振り返りましょう。特定の子しか思い浮かばない場合は要注意です。子どもたちの状態を断片的にしか観られていない証拠です。

すぐに思い浮かぶのは、よく話しかけてくれる子、支援が必要な子、やんちゃな子など、比較的学級でも目立つ子です。ここで意識したいのは、中間層の子どもたちです。特に、「表立っては目立たないが、積極的な子」とどれだけ話したかが、大切です。

こうした子どもは「目立たないけれど、どんなことも一生懸命にやっている子」で、教室に一定数います。とても教師を信頼しているはずです。ここを見逃してはいけません。一番学級を支えてくれています。「観てくれているのかな?」と感じている子も多いはずです。

もし、しっかりと褒めることができていない場合は、まだ「○○すべき」の意識が強いのかもしれません。「当たり前にできている子は、当然」という意識が働いている可能性が高いです。

少し上機嫌でいることを意識して教室に立つ

子どもたちの前では、常に少し上機嫌になって笑顔でいてみましょう。すると、意外にも細かいことが「まあ、いいか」と思えてきます。

この「まあいいか」はとても大切な視点です。教師の心に余白を生みます。この何気ない余白は、子どもたちを受け入れる心のスペースを生みます。

心の余白は、子どもたちに安心感を与えます。すると、子どもたちが教師に信頼を感じ始めます。先人の教師たちが、「笑顔」を大切にしてきた意味がここにあります。

少し疲れていても、何があっても、2割増しの上機嫌で、笑顔でいましょう。

石井 雄大(いしい ゆうだい)

埼玉県公立小学校


公立小学校教諭。教育学者。中学時代の入院がきっかけで教師を志す。大学院卒業後、教員となる。
全国の教育関係者と繋がりながら、日々の教育実践を理論化し、広く世の中に貢献したいと考えている。
執筆活動や学会発表などを精力的に行なっている。
業績等

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