2024.04.16
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教室環境〜「教室環境とは」「掲示物のお化け坂」〜(1)

4月一週目には学校教育目標の確認、校内研や学推の取り組み、校務分掌の提案など...手のひらに、いやいや、カバンにも収まらないほどの業務がこの数日に詰まっています。どこからともなく悲鳴が聞こえてきそうですね(私か)。
校内業務に追われがちなスタートのため、「とりあえず始業式に間に合う程度の教室準備をしよう」と教室準備を後回しにしてしまい、思うように教室環境を整えられないのが現状ではないでしょうか。しかし、落ち着いた学級を目指すためには、最初に教室環境を整えることもとても重要なことです。
これから数回に分けて、教室環境を整える方法を紹介していきたいと思います。初めてのコラム掲載。温かい目で読んでいただけたら光栄です。

沖縄県那覇市立さつき小学校 教諭 石川 雄介

そもそも教室環境を整える必要って?

同僚から、
「授業中児童が落ち着かなくて困っています」
「喧嘩も多くてどうしたらいいのかわからない」
という話を聞くことがありました。
その同僚の教室を見ると…なるほど。机の並びが乱れている、担任の机周りに点検途中の児童ノートや教材などが溢れている、ロッカーの中の本が倒れているなど、児童が落ち着かない要素が溢れていました。

新年度最初は学校教育計画の確認や教材等の選択、学年での役割分担や学級名簿の作成など、いつ終わりが来るのかわからない程の業務が、始業前の数日の中に所狭しと詰められています。そんな中、疎かになってしまうのが教室の環境を整える事ではないでしょうか。そんな後回しにされがちな教室環境は、今後の教育活動全体に大きな影響を与えると思います。
例えばあなたが仕事を終えて帰宅すると、部屋の中には畳まれていない洋服たち、朝食で使用したお皿や調理器具、布団の乱れたベッド、長時間喚起されていない部屋の空気が待っているとします。
この文章を読んだだけでも気が重くなるのではないでしょうか。

このように子どもたちも同じことを少なくとも感じています。登校して教室が整っていると気持ちの良いものです。気持ちの良い教室は心も落ち着き、良い教育が生まれます。それだけでなく、物の置き場所や並べ方などを整えて決めておくと、子どもが自分で思考して行動をしたり、互いに話し合って解決したりなど、主体的な行動力や協働的に活動する意欲にも繋げることができます。そうすると、児童同士のトラブルも減り、指導も少なくなります。そこから、児童同士の人間関係や教師と児童の信頼関係を築くことにも繋がります。
「良い環境は良いことが連鎖していく」「プラス+プラス=プラス」と言えます。
「良い学級は良い教室環境から」。または、「落ち着きのない学級はまずは教室環境から」とも言えるのではないでしょうか。
「任された学級を落ち着きのある学級にしていきたい」と誰もが思うことでしょう。そのための学級づくりは、実は児童に出会う前から、つまり4月1日からすでに始まっているのです。では、最適な教育環境に向けて、具体的にどのような部分を整えて行けばいいのでしょうか。

掲示物のお化け坂

教室には前方後方など、掲示できる箇所が準備されていることが多いと思います。そこには、毎月の生活目標や給食の献立表、児童のファイルなど様々なものを掲示しますよね。それらを掲示する際に気を付けて欲しいことが、「横を揃えること」です。

ただそれだけです。
しかし、侮るなかれ。特に後方に児童のファイルを並べて掲示する時に気を付けてほしいです。約30名分のファイルを並べて行く時にどこかで数cmでもズレてしまうと、誤差が大きくなりどんどん斜めに掲示してしまいます。私も掲示を終えて黒板前から見てみると、 
「いつの間に!?」
笑えるほど斜めになっていて何度もやり直しをした経験があります。
みなさんも経験無いでしょうか?多くのものがまっすぐピシっと並んでいると気持ちの良いものです。移動教室などで児童がきれいに並んでいると嬉しくなるのと同じだと思います。
「どこかズレていると、どこか教室も歪んでしまう」
特に、年間を通して常時掲示しているものは尚更だと思います。

では、どのようにしてきれいに掲示するのか。
私は授業で使用する1mものさしを活用しています。最初に掲示したファイルの底辺に合わせて揃えています。または、掲示可能箇所とロッカー上の接地面を底辺として活用しています。
ここまで読んで、「そんな重要な内容ではないし、難しい話ではない」「少し神経質すぎない?」という声が聞こえてきそうです。分かります。自覚はあります。とても。 
しかし、こんな簡単なことを徹底していない教室をたくさん見てきました。簡単だからこそ丁寧にしていきたいものです。徹底さ、丁寧さが大事なのです。

見落としがちなのが、毎月の生活目標、給食の献立表などが揃っていないことです。
あなたは、
「いやいや。そんなの新年度最初に綺麗に並べて掲示しているよ」
と思うことでしょう。
気を付けて欲しいのは、その掲示した後の中身の紙です。これらは毎月中身を入れ替える必要のある、変動のある掲示物です。中身を入れ替える際に斜めに入れてしまってはいないでしょうか。これらを入れ替える時には、斜めにならないように気を付ける必要があります。掲示物をとめる押しピンなどが一か所なくなっていることを発見し、早急に対応する事は言わずとも行っていることでしょう。

掲示物を貼る際は、横に並ぶように細心の注意を払うこと、掲示した後に距離を取って確認をすることが大切だと思います。掲示物のズレを放っておくと、学級のルールのズレや信頼関係のズレなど、ズレがズレを呼び、大きな歪みになると思います。

「掲示物をそんなきれいに整えたり、直したりするのは面倒くさい」
と思う自分と葛藤する場面に出会うかもしれません。
「どうせやるなら、最初からきれいに」
私はそんな思いを奮い立たせて、弱い自分と闘っています。

ご一読いただきありがとうございました。
あなたの学級に幸あれ。
何卒。

石川 雄介(いしかわ ゆうすけ)

沖縄県那覇市立さつき小学校 教諭


沖縄県の小学校教員として10年以上、子どもも担任も楽しむ学級づくりや授業づくりを研究しています。
私のモットーは「合いのある学級づくり」で、特に『思い合い、支え合い、学び合い』に重きを置いています。
また、授業や生活の中で他者尊重の心を育む仕掛けや子どもの興味を惹くアイディアを考えるのが大好きです。
効果的な掲示物の作成や子どもも担任も楽しめるアイディアなど、多種多様な教育場面について伝えていきたいと思います。

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