2019.04.16
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どんと来い!新学習指導要領・小学校国語(1)

第23期の連載では、『「荒れ」と向き合う詩の授業』というテーマで私的な実践報告を、また第24期の連載では、『「これならできる!」詩の創作指導』と題し、より一般化した詩の指導の方策についてご提案してきました。続く第25期では、小学校新学習指導要領の完全実施を来年に控え、「どんと来い!新学習指導要領・小学校国語」と題し、同要領や同解説等を丁寧に紐解きながら、その趣旨を踏まえた実践などについて、ご紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長 杉尾 誠

新年度・新学習指導要領に向けて

さて、全国の学校で新年度となり、早や一週間が過ぎました。4月当初の事務作業等、諸準備の慌ただしさを乗り越え、始業式では子どもたちとの新しい出逢いに感動し、受け持つ学級の基礎づくりに奮闘し、そしてようやく通常モードに切り替わりつつある頃でしょう。

新任の方はもちろん、4月から転勤等で新しい職場環境になった方も、またそうでない方も、学級経営や日々の授業準備だけでも大変なのに、小学校では来年度の新学習指導要領の完全実施に向け、学年ごとに移行措置に伴う対応も必要で、試行錯誤しながら教材研究に悩まれている方も多いのではないでしょうか。

新学習指導要領について、報道等で一般の方にも広く知られている小学校国語の改訂内容は、おそらく「都道府県漢字の追加」でしょう。現在は、小学校6年間で1006字の漢字を学習しますが、そこに20字追加されて、1026字となりました。新【潟】、【岐】【阜】、愛【媛】など、大人でも正確に書くのに少し考えてしまうような漢字もすべて、社会科の学習内容との関連性を重視し、4年生で学習することになりました。

そこで、改めて小学校国語に焦点を絞って、学習指導要領のどこがどのように変わったのか、文部科学省の告示をもとに、詳しく考えていきたいと思います。

小学校国語の目標の大改訂

比較のために、まずは現行の小学校学習指導要領国語の「第1 目標」について見てみます。

第1 目標
国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。

そして、新学習指導要領の同項目は、以下の通りです。

第1 目標
言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)日常生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
(2)日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
(3)言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。

このように、現行(平成20年改訂)の目標と大きく変わり、より具体的になっています。ちなみに、前々回(平成10年改訂)の目標は、現行の目標と全く同文でしたし、その前(平成元年改訂)についても、一部語順やキーワードが違うのみですので、このことからも、新しい「令和」の時代到来と軌を一にした、まさに大改訂になっていると言えるでしょう。

「目標」を紐解くと…

実は、このような目標の大改訂は国語だけでなく、新設の外国語を含め、全ての教科で行われています(「特別の教科 道徳」を除く)。全学年共通の目標がまず示された後、3つの具体的な育成目標が書かれています。

これは、文部科学省が新学習指導要領で提唱する『「生きる力」を育むために~子供たちの学びの進化~』の趣旨に則った「育成すべき資質・能力」の三本柱に対応しています。

具体的には(1)が「知識・技能」、(2)が「思考力・判断力・表現力等」、(3)が「学びに向かう力・人間性等」についての育成目標となっているわけです。そう考えると今回の改訂は、これを遵守すべき教員にとっては、より理解しやすいものになったと言ってもいいでしょう。

ともに「新学習指導要領」について、学びましょう!

とはいえ、中堅・ベテランの先生方からすれば、これまで当然に指導してきた内容に変化を加え、指導方法をより進化したものにアレンジしていくのは、ややもすれば骨の折れることかもしれません。私も、実際些細なことですが、これまで「1006字」としていた教育漢字数を「1026字」と理解し直すのは、少なからずの戸惑いがありました。

しかしながら、子どもたちに新しい時代を生き抜くために必要な資質・能力を育むためには、いち早く私たち教員が準備を進めなければなりません。次回からは、私の拙い実践ではありますが、新学習指導要領を見据えた取り組みを私なりに先行して進めてまいりましたので、それを叩き台にしつつ、読者の皆様とともによりよい指導方法について、模索をしていきたいと思います。

杉尾 誠(すぎお まこと)

大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長
子どもたちの「自尊感情」を高めるため、「綴方」・「詩」・「短歌」・「俳句」などの創作活動を軸に、教室で切磋琢磨の日々です。その魅力が、少しでも読者の皆様に伝われば幸いです。

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