2016.09.05
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「何のために」から子どもたちの活動・学習が始まる

子どもが主体的に動くために、どのような意識づけをしていけば良いのか

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

前回、子どもの「主体的に・・」について書きました。
2学期が始まり、子どもと向き合いながら、改めてそのことを考えています。

夏休みの宿題で「何のために夏休みの宿題があるのか」ということを考えてきた子がいました。
「宿題に取り組むことが自分にどのような効果をもたらすか」
についての自分の考えを書き、最後には、
「これから2学期のいろんな活動も自分の中でしっかりと意味を考えて活動していきたい。自分のものにしていく。」
と書いていました。
決していつも勉強の事ばかり考えている子ではありません。
改めてふと「夏休みの宿題の(自分にとっての)意味」が気になって言葉に残したのだと思います。

私はここに子どもの主体的な活動・学習を生み出すヒントがあると思います。
それは、一つ一つの活動・学習の中に、子どもたち自身が「何のために」を持つことです。
子どもたちが主体的に活動・学習するための場を教師がつくっていくことも大切ですが、
子どもたちがあらゆる活動・学習に対して、自分で意味を見出すことができるように意識づけることができれば、どんどん教師は必要なくなります。

・何のために名札を付けるのか
・何のために挨拶をするのか
・何のために物語の学習をするのか
・何のためにテストがあるのか

と4月当初はいつも子どもたちと一緒に考えています。
「何のために」が分からず、受け身なままの子もいるからこそ、
お互いに考えを出し合って、自分の中で意味づけができるようにしていきます。決して教師の考えを押し付けることはしません。

意味がないことはしないほうがいいし、意味があることやったらいい。
結構シンプルなものです。
このように4月から進めていくと、「自分で意味を見い出す」ことができるようになってきます。
「何のために」が分からないと教師や周りに聞いてくるようになります。
そこからどんどんあらゆる活動、学習が「自分のもの」になっていきますね。

教師自身も改めて「何のために」を考える必要があるでしょう。

・これまで行われていたから
・先輩から教えられたから
・自分が小学校の時もあったから

で、「何のために」も考えずに行っていることがあればこわいです。
教師の「何となく」が子どもの「何となく」を生み出します。
学校のあらゆる場面で「何のために」をしっかりと持って、
子どもたちと2学期も活動・学習していきたいと思います。楽しみです。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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