インターネットモラルを学ぼう!
大人だけでなく、子どもにとってもインターネットは便利なもの。調べたいことはホームページで見つけられるし、電子メールを使った友達とのやり取りも楽しいものです。でも、子どもは大人以上にインターネットに対して抵抗を感じないので、危ないサイトへも平気でアクセスしてしまう恐れがあります。また、掲示板や電子メールで意見を交換するうちに、トラブルが発生するといったケースも多く見られます。そこで今回は、子どもにインターネットのルールを学ばせるのにおすすめのサイトを紹介していきます。
インターネットを利用するための ルールとマナー集 こどもばん
ネットのルールを教師・保護者への解説付きで紹介
財団法人インターネット協会
http://www.iajapan.org/rule/rule4child/v2/
インターネットを利用する際に知っておかなければならないことは何なのか。財団法人インターネット協会では、セキュリティや電子メールでの注意すべきことをまとめ、ルール&マナー集としてサイト上で公開しているが、小学校4年生から中学3年生を対象に、子どもでも理解しやすいように作ったものが「インターネットを利用するためのルールとマナー集 こどもばん」となる。
全部で6章立てになっていて、
1章「身に付けること、覚えておくこと」では、インターネットを楽しく安心して利用するために、覚えておかなければならないことを教えてくれる。そこで2つの大きな柱となっているのは、「自分の身は自分で守る」ということと、「相手のことを思いやる」こと。それを心がけておくことがネットでのトラブルを防ぐことにつながるという。
2章「法律で決められていること」では、著作権や肖像権といった法律に関わる問題を扱っていて、インターネットを利用する中で、法に触れることが無いように注意すべきことを子どもにも分かりやすく教えている。
4章「インターネット上のコミュニケーション」には、電子掲示板やチャットのルールやマナーが紹介されている。相手の顔が見えない電子掲示板では、意見を交換しているうちに、思わず熱くなってしまう危険性がある。自分の正体が分からないからといって、ウソをついたり、悪口を書いたりしないで、ていねいな言葉で書き込みをして、ケンカになったら、時間をおくようにすることをすすめている。また、子どもがはまりやすいオンラインゲームについても、ゲーム内のルールを守って、親や先生と相談して時間を決めてプレイすることが大事だとしている。
5章「ウェブページによる情報発信」には、自分でホームページを作って情報を公開する際に注意すべきことが書かれている。2章でも出てきた著作権や肖像権に気をつけることや、自分の住所や電話番号といった個人情報を公開してしまうことは、決してやってはいけないことだと分かってもらう。
6章「ウェブページによるサービスの利用」で紹介されているのは、インターネットでの調べものや、オンラインショッピングをする際の注意。子どもがインターネットで買い物をするわけが無いと思っていても、ネット上には子どもにとって魅力的なものがいっぱい。勝手に親のクレジットカードを使って買い物をしてしまう危険性が潜んでいることを親は理解しておく必要がある。
そして、紹介されているルール&マナーには、教師・保護者に向けた解説が付いているので、よく目を通しておいて、子どもと一緒にサイトを見ながら、インターネットのルールやマナーを教えてあげることが望ましい。
School Online for Kids
ハムスターとのメールのやり取りでルールを学ぶ
ベネッセコーポレーション
先生に向けては利用ガイドも用意されているので、実際の授業で「はむはむメール」や「はむはむホームページ」を使う際に、どういった点に指導のポイントを置くべきか、どれぐらいの時間配分で進めていけば良いかなども分かるようになっている。
あんぜん・あんしん・インターネット
3つのステップと親の目配りでネットをより楽しくする
NEC
家族で仲良くインターネットを楽しむためには、メールやホームページを使ってどういうことができるのか、その際にはどんなことに気をつけなければいけないのかを知っておく必要がある。そこで、NECでは小学生でも理解できるようにやさしい文章やイラストを使って、インターネットの楽しみ方を教える情報リテラシーサイト「あんぜん・あんしん・インターネット」を開設し、3つのステップで段階を踏みながら分かりやすく教えている。また、保護者に向けて、子どものインターネット利用で大切な、親の目配りやきめ細やかなサポート術を具体的に挙げている。
まず、Step-1「人と人、そしてじょうほう」で、インターネットに関する基本的なことを勉強。インターネットを通じていろんな人と出会える可能性があるが、同時に相手を思いやることの大切さや、インターネット上にもお金を取ろうとしたり、いたずらのメールを送ったりするなど、悪いことをする人がいることも知っておく必要があることが分かる。そして、インターネットでは、たくさんの情報を得ることができるが、そこにある文章や写真を勝手に使ってはいけないことについても書かれている。
以上のことを覚えた上で、Step-3「みんなで楽しくインターネット」では、インターネットを楽しく使いこなすためのルールやマナーについて学んでいく。「プレゼントが当たったからIDとパスワードを教えて」といった内容のメールが届いたけれど、どうすれば良いか、ホームページでほしいものを見つけたけれど買っても良いのかといった子どもの疑問に答えていく形で、インターネットのルールとマナーが分かるようになっている。そして、最後に目指すのはクールなネットワーカー。相手を思いやるやさしい心と、自分を信じる強い心を持ってインターネットを使いこなしてほしいとしている。
さらに、「うちのやくそく」のコーナーには、パソコンで遊ぶ時間や、情報の扱い方についてなど、親と子どもが決めるインターネットを使う上での約束事のひな形が書かれているので、これを参考にしながら、親子で話し合って、それぞれの家での約束事を決めていってほしい。
インターネット・セキュリティ・ナレッジ
ウイルス対策をはじめ、インターネットに潜む脅威をわかりやすく解説
トレンドマイクロ株式会社
インターネットにはコンピュータウイルスをはじめとした、多くの危険が潜んでいるが、そうした危険から守るために、インターネットセキュリティ全般の知識を身に付けてもらおうと、ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」で知られるトレンドマイクロが提供しているサイトが「インターネット・セキュリティ・ナレッジ」。そこにはセキュリティ関連の最新の情報や、コンピュータウイルスの被害にあった体験談などが載せられている。
まず月曜の「パソコンが大変!」で、トレンドくんのパソコンが動かなくなってしまったことをきっかけに、インターネットに潜む脅威について考えることになる。そして、火曜から土曜の間に、5つの脅威のどういったところが恐ろしいのか、その対策としてどうすれば良いかを学んでいく。
水曜の「セキュリティホールをやっつけろ!」では、ウイルスに気をつけているのに調子が良くならないトレンドくんのパソコンの問題を探る。そこでは、基本ソフトのUpdateを怠っていると、外部からパソコンが操作されたり、ファイルが削除されたりする危険があることを教えてくれる。
木曜の「スパイウェアをやっつけろ!」で、トレンドくんを新たに襲った脅威は、うっかりダウンロードしてしまうと、個人情報が勝手に送信されてしまうスパイウェア。怪しいサイトを見たばかりに、大量の迷惑メールが送られてくるようなケースもあるという。
そして、金曜の「フィッシングをやっつけろ!」で、トレンドくんはインターネットの世界にもサギ師がいることを知る。詐欺メールで悪質なサイトに誘導されたばかりに、クレジットカードの番号が知られてしまい、銀行の口座から預金が引き落とされるといった恐ろしい目にも遭いかねない。
最後に、土曜の「無線LANに気をつけろ!」では、便利に思われる無線LANの意外な落とし穴を指摘している。無線LANには、第三者が侵入しやすいという弱点があり、そのためパソコンの中の大事な情報が盗み出されてしまう危険性があるという。
その他にも「インターネット・セキュリティ・ナレッジ」には、アニメで初心者にも分かりやすくインターネットの危険性を説明した「トレンド家SOS!!」や、トロイの木馬やワームといった様々なコンピュータウイルスについてトレンド博士が解説してくれるコーナーなどが用意されている。
5DANGER
(http://www.is702.jp/special/498/)
情報モラルを学ぼう
インターネットの危なさを仮想体験
吉田喜彦
このサイトを制作した吉田氏は、有限会社教材ドットコムで、ウェブマスター向けの講座や、Web制作などを手がけている。怖いサイトの仮想体験は、パソコン初心者や子どもにとっては、かなり衝撃的なものとなるが、それだけにインターネットで本当に危険な目に会う前に、それがいかに危ないものか身を持って知ることができる。
そして、インターネットを使う前に知っておかなければならないのは、ネット上には不適切な情報が無数に存在するということ。ネット詐欺を架空体験するページは、旅行業者のサイトのような作りになっていて、試しに、規約に同意してバリ島5日間の旅を申し込むと、お金が引き落とされたのにクーポン券が送られてこないという結果が表示される。ここで改めて規約を読み返すと、いかなる場合も返金はしませんと書かれていて、信用できない業者であったことを理解させられる。また、ダイエットに効果があるということで購入した製品が、違法の麻薬であったため逮捕されてしまうなど、ネットで販売されている違法なものを、知らずに購入してしまう危険を知ることになる。
情報モラル研修教材2005
授業でネットモラルを指導できる教材を提供
独立行政法人教員研修センタ-
教員研修センターでは、教師の資質の向上を目的に、校長先生や教員に向けて研修を行っているが、先生が研修を行う際に役立つ教材なども作成し、ホームページ上で公開している。最近では学校でもパソコンを扱う機会が増えていることから、児童・生徒にインターネットの正しい使い方を、指導する必要が出てきたが、そのための教材として作られたのが「情報モラル研修教材2005」となる。パソコンに関して初心者の先生と熟練した先生の、どちらでも授業で活用できるように、様々な角度から情報モラルを理解できるような作りとなっている。
「授業素材」のコーナーに題材別に収録されているのは、情報モラルの授業を行うための「指導事例」、「資料」、「日常的な指導方法」、「ガイドラインへの方法」。実際の授業では、どのぐらい時間をかけて、どういった流れで進めていけばよいかが分かるようになっていて、新聞記事などの資料や、イラスト入りの授業展開例はPDFファイルでダウンロードすることができる。
「問題への対応」のコーナーでは、インターネットを利用することで発生した問題に対して、どのように学校が対応したらよいかが解説されている。ここでは、学校や先生が対応できることと、技術的な知識や法律的な知識が必要なことから、学校や先生だけでは対応できないことに大別して、具体的な対応を紹介している。
この情報モラル研修教材2005で取り上げられている事例などの題材は、目的別や方法別に分けられていて、小・中・高のいずれに向いているかも、マークにより一目で分かるので、授業で使いたい題材を、すぐに見つけ出すことができる。
インターネットを利用するためのルールとマナー集 こどもばん | School Online for Kids | あんぜん・あんしん・インターネット | |
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運営 | 財団法人 インターネット協会 | ベネッセコーポレーション | NEC |
主な対象 | 小学校4年生~中学3年生、教師・保護者 | 小学生、中学生、小中学校の先生 | 小学生とその保護者 |
紹介されている主な内容 |
1章 身に付けること、覚えておくこと 2章 法律で決められていること 3章 電子メール 4章 インターネット上でのコミュニケーション 5章 ウェブページによる情報発信 6章 ウェブページによるサービスの利用 |
はむはむメール 擬似的なメールのやり取りを通じてメールのマナーを学ぶ はむはむホームページ あらかじめ用意された詐欺やいたずら目的のホームページを見て、サイトを閲覧するルールを学ぶ |
Step-1 人と人、そしてじょうほう Step-2 インターネットで広がる世界 Step-3 みんなで楽しくインターネット |
インターネット・セキュリティ・ナレッジ | 情報モラルを学ぼう | 情報モラル研修教材2005 | |
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運営 | トレンドマイクロ株式会社 | 吉田喜彦 | 独立行政法人教員研修センター |
主な対象 | 特になし | 特になし | 小学校・中学校・高等学校の先生、情報 担当の先生、保護者 |
紹介されている主な内容 |
5DANGER トレンド家SOS!! |
コンピュータウイルスはこうして防ごう! 不適切な情報には近づかなければいい 個人情報が漏れる原因はここにあった! |
体験から学ぶ 事例から学ぶ 授業素材 学校の取り組み 問題への対応 |