子どもを守る!セキュリティ特集
子どもが事件や事故に巻き込まれるニュースを耳にしても、それが自分の身の回りに起こるかもしれないと考えるのは難しいもの。自分は大丈夫だと思っていても、いざ何かあった際には、子どもと連絡が取れなかったり、警察への通報が遅れたりするなど、対処の失敗が取り返しのつかない事態を招きかねません。そこで、今回は子どもの安全に関連する製品やシステムを紹介します。
e-れんらく帳
個人情報を管理して安心したメールのやり取りを実現
地震や台風などの災害が起こった際に、学校から緊急の連絡を生徒に送る手段として、メールが有効ではないかということで注目を集めている。しかし、その際に問題となってくるのが個人情報の管理。メールアドレスを取得するためには、氏名や住所を登録する必要が出てくるが、生徒のメールアドレスを含め、そうした情報が学校から漏れたりしたら大問題になりかねない。最近では、どうにかして生徒の情報を入手しようとする業者もいるらしく、個人情報を扱うことに関しては細心の注意が要求される。
だが、生徒の個人情報の管理を、そうしたプロでもない先生に全てを任せるというのは、大きな負担になりかねない。そこで個人の情報を完全に保護し、安心して学校と生徒の間でメールのやり取りをしてもらおうというのが、学校向けメールサブシステム「e-れんらく帳」となる。
まずメールアドレスを取得するために用いられる記入用紙は、
児童生徒の年組や児童生徒氏名など必要な情報を記入してから、他人の目に一切触れることなく、学校に置かれたポストを通じてセキュリティトラックで回収される。なお、この回収に間に合わなかった分は、通常のポストから投函することもできる。こうしてセキュリティセンターに送られた情報は、項目ごとに分割され、それぞれ別々の担当者が入力。そして、入力が終了すると同時に、記入用紙は溶解されるという流れが出来上がっている。生徒にメールを送る際も、その名前から送信することになるので、発信者となる先生や管理者も生徒のメールアドレスを知ることが無く、完璧なセキュリティが構築される。
この「e-れんらく帳」では、一人につき本人確認用メールアドレス以外にも、最大9つまでのメールアドレスを登録することが可能。こうしてメールアドレスを生徒に登録してもらうことで、緊急時にはパソコンのブラウザや携帯電話を使って一斉にメールを送信することができる。もちろん何らかの事情で加入できない生徒も出てくるだろうが、生徒の名前だけでも登録しておけば、メールを送信した後に、送られたメールを見た生徒、まだ見ていない生徒、加入していないのでメールを受け取っていない生徒が、それぞれ表示されるので、メールを確認していない生徒に対しては、電話など他の手段を使って情報を送れば良い。また、受け取った生徒の方からも発信者に対して短いコメントを返信できるようになっているので、スムーズなやり取りが期待される。
学校が個人の情報を漏らしてしまうことは、決してあってはならないことだが、万が一、そうした事態が起きてしまった時に、それを隠すことだけは絶対にやってはいけない。「e-れんらく帳」のシステムを導入していれば、事故が起きた時には、外部調査期間により徹底した調査が行われ、その責任を学校が負うようなことが無いので、その点でも安心と言える。
なお、「e-れんらく帳」には、携帯電話向けのホームページを簡単に作成できるツールとなる「LISAPLUSK2」が標準で付いている。これを使えばCGIの知識が無くてもページの編集が行えるので、必要な情報をサイトにUPして、すぐに携帯から見てもらうことができる。
e-れんらく帳 | |
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登録メールアドレス | 本人確認用メールアドレスのほかに、最大9つまで登録可能 |
対応キャリア | iモード、vodafone live!、EZweb、H”、Lモード |
返信用コメント | 最大64字以内 |
LISAPLUSK2 | |
動作環境 | ASPでの提供 学校側にはインターネットが閲覧できるブラウザー |
みっけ!WEB
子どもの居場所がPHSから分かる
株式会社ウィルコム
子どもに持たせたPHSから、今どこにいるかを把握するのが、ウィルコムの提供する位置情報サービス「みっけ!WEB」。PHSの「安心だフォン」の利用 者に向けたサービスとして提供を開始したものだが、そもそも「安心だフォン」は、子どもやお年寄りでも使えるというコンセプトで作られたPHS。電話をか ける時は、事前に登録しておいた相手に向けて、1または2の番号を押すだけでかけられる。
このように電話をかけられる相手が、自宅とお母さんの携帯といったように2ヶ所だけに限定されているので(通常の「安心だフォン」は3ヶ所だが、検索システムを使用する場合2ヶ所となる)、子どもにPHSを持たせても友達と長話をしてしまうようなことがない。なお、110番や119番といった緊急の通報先へは、登録していなくても発信できるほか、Eメールならば登録先以外へも、自由に送信できるようになっている。
そして、子どもが持つPHSということから「安心だフォン」に付けられている機能が、大音量の防犯ブザー。不審者に出会った際などに、PHSのボタンを上にスライドさせるだけで、たちまち大きな音が鳴り響き、周りに危険を知らせてくれる。このように通常のPHSとは異なり、子どもに持たせることで安心につながるPHSとなっているが、今年の4月から位置情報サービス「みっけ!WEB」が加わったことで、より安全性を高めるものとなっている。
「みっけ!WEB」を使って、子どもがいる場所を確かめたいと思ったら、まずパソコンや携帯電話から「みっけ!WEBサービス」のホームページに アクセス。そして、「位置情報検索」を押すと、利用者IDとパスワードを入力するように指示されるので、入力してログイン。そこで検索開始をクリックする と10秒から80秒程度で、子どもが持っている「安心だフォン」の位置を探し出し、地図で表示される。GPSなど衛星を使った位置情報検索の場合は、建物 の中に入ってしまうと精度が落ちるという弱点があったが、「みっけ!WEB」はPHSの基地局から場所を検索するので、その点がカバーされている。
また、「安心だ!フォン」を持っている子どもの方からも、自分の居場所を通知することが可能。自分の位置を発信する時に は、「0」を2秒以上長押ししてから発信ボタンを押す。そうすると登録先に自動音声と電子メールで現在位置が通知される。これで迷子になったりして、自分 がどこにいるか分からなくなっても、その場所を親に確認してもらえる。このようにPHSが位置情報の端末になっているということは、子どもの居場所を確認 できると同時に、それで異常を感じた際に、すぐに連絡して安否を確かめられるといった利点も併せ持っている。
また、「安心だ!フォン」を持っている子どもの方からも、自分の居場所を通知することが可能。自分の位置を発信する時には、「0」を2秒以上長押し してから発信ボタンを押す。そうすると登録先に自動音声と電子メールで現在位置が通知される。これで迷子になったりして、自分がどこにいるか分からなく なっても、その場所を親に確認してもらえる。このようにPHSが位置情報の端末になっているということは、子どもの居場所を確認できると同時に、それで異 常を感じた際に、すぐに連絡して安否を確かめられるといった利点も併せ持っている。
この「みっけ!WEB」のサービスがセットになった「安心だフォン」付属のランドセルとして発売されているのが「ランド セルフォン」。これまでは、子どもにPHSを持たせても、どこに携帯させておくか迷うところだったが、ランドセルフォンには「安心だフォン」を収納できる 専用ケースが付いているので、そのままランドセルごと持たせて学校に送り出せば良い。この収納ケースはベルト部分にあるので、いざという時に防犯ブザー も、すぐに鳴らせるし、無くしてしまうことも防げる。
安心だフォン | |
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サイズ | 約H121×W47×D19.5mm(突起部除く) |
質量 | 約89.3g |
連続通話時間 | 約8時間(バックライトOFF時) |
連続待受け時間 | 約700時間 |
アドレス帳 | 100件 |
その他 | 防犯ブザー本体付属 |
液晶 | 96×63ドット |
みっけ!WEB | |
基本料金(月額) | 1,050円 |
検索料金 | 52.5円/回 |
地図表示 | 31.5円/回 |
自己位置通知料金 | 210円/回 |
コールセンター利用 | 210円/回 |
スクールガード10
非常ボタンを押すだけで警察に通報される
学校に不審者が侵入するなどして、警察に通報するような緊急事態が、いつ起きるか分からない。その際に警察に電話をすることはできたとしても、動揺している状態では、学校名や住所、そして学校までの道のりを的確に伝えることは難しい。そこで、一刻も早く事態を知らせて、一分でも早く警察に学校に駆けつけてもらうためのシステムとして職員室への導入を勧めているのが非常通報装置「スクールガード110」となる。
警察を呼ぶような緊急事態が起きた時に、先生がやるべきことは「スクールガード110」の非常ボタンを押すだけ。そうすると発報確認ランプが青色に点灯し、約5秒で110番に通報される仕組みとなっている。通報を受けた警察は「非常通報、非常通報、こちらは○○市の○○小学校です。逆信してください」という、あらかじめ録音されたメッセージを受け取ることになる。そのメッセージを確認した警察から、逆信で専用電話機に連絡が入るので、その時に事態の詳細を説明すれば良い。すでに警察が学校に非常事態が起きているということを把握しているので、事情を説明する際に混乱する心配が無い。なお、非常ボタンを押した後に、警察からかかってくる電話に出られない場合も考えられるが、電話に出ない時点で緊急事態と判断され、ただちに警察が駆けつけてくれる。
この「スクールガード110」を導入する際には、学校名や住所、学校周辺の地図などを、事前に警察に届け出るようになっている。これにより通報と同時に、そうした情報を警察が確認することになるので、最短の時間で現場に到達することが可能となる。そして、警察官が学校に到着し、非常ボタンを復旧させることで、システムは再び復旧状態に戻り、点灯していた通報確認ランプも消灯する。通常は職員室に設置されることになる「スクールガード110」だが、教室から職員室にリモコンで通報するセットも用意されている。
「スクールガード110」は、台の上に置いたり、壁に掛けたりできるなど、小型であるため設置場所に困らないというのが特徴で、受理用電話機や非常ボタンはモジュラー式なので、簡単に接続できる。また、停電した場合も内蔵電池により8時間は動作可能となっている。
スクールガード110 | |
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適用回線 | 一般加入電話回線(ISDNはTAが必要) |
逆信受理専用電話機 | 1台 |
非常ボタン入力 | 2台、押しボタンカバー1個付属 |
発報確認ランプ | 1台 |
通報メッセージ | 録音メッセージ最大16秒 |
外付電話機 | 1端子(モジュラー式) |
電源 | AC100Vアダプター |
停電時バックアップ | 8時間 |
設置形態 | 台上設置、壁掛け設置 |
通報装置外形 | 幅96×奥行き204×高さ45mm |
通報装置質量 | 420g |
価格(税込み) | 157,500円 |
防犯ブザー各種
大音量で周囲に危険を知らせてくれる
学校の登下校や塾の帰りに不審者に襲われたら大変ということで、ピンを引き抜くと大音量が鳴り響き周りに危険を知らせる防犯ベルを、子どもに持たせる親も 増えている。中には学校や自治体レベルで購入して全校生徒に持たせるといったケースも出ているが、防犯ベルにも様々な種類のものがあり、内田洋行からも幾 つかの防犯ブザーが販売されている。
防犯ブザー ミオマモルちゃん
防犯アラーム(ライト付)
ウチダ防犯ブザーAB型
防犯ブザー MS-66
防犯ブザー比較一覧 | |||||
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防犯ブザー ミオマモル ちゃん | 防犯アラーム (ライト付) | ウチダ 防犯ブザー AB-01 | ウチダ 防犯ブザー AB-02 | 防犯ブザー MS-66 | |
アラーム音量 | 約100dB | 約100dB | 約105dB | 約100dB | 約130dB |
電源 | 単4乾電池× 2本 |
ボタン電池LR44 ×4個 |
ボタン電池LR44 ×5個 |
単5乾電池× 2本 |
単4乾電池× 2本 |
外形寸法 | 幅80× 奥行き55× 厚さ30mm |
幅37× 奥行き65× 厚さ15mm |
幅55× 奥行き80× 厚さ45mm |
幅54× 奥行き60× 厚さ23mm |
幅90× 奥行き56 ×厚さ26mm |
価格(税込み) | 840円 | 1,260円 | 840円 | 840円 | 1,554円 |
こうしたシステムやグッズがあるから大丈夫と安心してしまうのではなく、一人ひとりが危機意識を強く持つことが大切です。災害時に誤った情報をメールで 送っても混乱するだけですし、防犯ベルが鳴っても大人が駆けつけなければ意味がありません。先生や保護者に限らず、全ての大人が子どもの危険に目を光らせ てあげてください。
※当記事の情報は、公開当時のものです。