2013.05.21
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漢字指導のあれこれ

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

 もう,5月の中旬です。

大型連休が明け,もう一度,学級づくりを1から再確認し,スタートさせているところです。

 今年新しくチャレンジしていることがあります。漢字指導です。

 

 

漢字の指導を一斉授業で

「漢字ドリルを自分のペースで進めておきなさい。」

という先生もおられるようです。わたしは,漢字指導を通して,

学習リズムや授業のテンポなどを指導し確認することにも

有効なので,一字一字,指導しています。

 指導の基本パターンは,

1.漢字の読みの確認

 

2.空書き

 

3.指書き

 

4.なぞり書き

です。漢字によって何度も繰り返すこともあります。

 これを一斉授業で行います。どの子どもも同じペースで

終わることができるようにしています。


 

漢字指導は,3つの学習型を意識して

 3つの学習型については,以前に書かせてもらいました。

視覚型,聴覚型,運動型です。

 漢字を目で捉えて,読み,書きます。

 

 書き方を聴覚で捉えて,読み,書きます。

 

 4回程度,練習をして漢字を体で覚えます。

 これらを副教材を使いながら,指導します。

1学期当初は時間がかかりますが,

 毎日5字,取り組んでいます。

予定では,6月下旬に,1度目の漢字指導が終わります。


 

下村式口唱法

 今年度,

下村式となえて書く漢字練習ノート」(下村 昇 偕成社)を

使って,漢字指導を行っています。

 学年の漢字すべてに,漢字の書き方が掲載されているのです。

たとえば,

「木をかいて しろ(士口)にソ一で 寸をかく」

この漢字は,「樹」という漢字です。

 このように全ての漢字に書き方が綴られ,それを唱えながら

練習しています。

 つまり書き方が書かれているので,リズムよく覚えることが

できる漢字が多く,子どもたちも,歌うようにつぶやいて

書いています。

 似たような取組に,

「漢字九九」(白石 範孝  学研)

というものがあります。たとえば,

「サる(猿)が,右手で,若葉食う」

この漢字は,「若」という漢字です。これも,おもしろいです。


 

漢字歌

 書き慣れてくると,読みについても,面白い取組があります。

漢字歌(日本標準)です。

 漢字歌とは,

「「櫻」という歌を歌う,演歌歌手は誰。」

「歌」という漢字の読み

「カ」と「うた」と「うた(う)」

が,全て入った文を歌のように,音読する取組です。

 漢字ドリルもそうですが,日本標準のサイトには,

子どもたちが漢字歌を作って,投稿するような企画も

あるそうです。

 これは,漢字指導2周目に取り入れたいと考えています。

 

 

リズム漢字

2年生の漢字の学習ですが,

……春夏秋冬 細道歩く
……東西南北 通行止め

などとリズムで,音読するようにして漢字を覚えることが

できる取組があります。

リズムでおぼえる漢字学習

 (鈴木 基久先生 清風堂書店出版部)です。

 漢字の学習の基本は,読み先習です。

まず読むことができるようにしたいです。

そのための取組として,楽しく取り組むことができます。

 もちろん1年生から6年生まであります。

 楽しいですよ。

 

 

ベストな指導は…… 

 漢字指導は,さまざまな方法があります。

子どもそれぞれの学習スタイルがあるので,

 どの指導がベストであるかどうかということは,

決められない

と考えています。

 低学年は,漢字の成り立ちの絵から学ぶことも必要でしょう。

どの学年も,繰り返し学習することも必要です。


 教師がたくさんの学び方を知っていれば,

子どもたちの学び方に合わすことができます。

 

大切なことは,

漢字を書くことができること

なので,さまざまな方法を学び,実践したいと考えています。

 

 

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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