2003.12.16
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子どものための防犯教室 新座市立東野小学校

学びの場.com読者のみなさんが「学びの場.com特派員」として、レポートするこのコーナー。今回は埼玉県新座市東野小学校から、防犯教室の話題です!

 


最初は校長先生の挨拶です
 
 

体育館に集まった児童たち
 
新座警察署生活安全課の甲斐さん
 
 

通学路で危険なめに遭ったら、110番の家に助けを求めること。そのためには110番の家の場所を日頃から確認しておくこと。
 
 
 
 
 

知らない人と話すときは、互いに「前へならえ」をした時の幅だけ距離をとって。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 11月11日、1時間目の時間を利用して、東野小学校の体育館で防犯教室が行われました。

 東野小学校近辺でも、通学路での不審者の出没が頻出していて、保護者たちは不安な毎日をすごしています。学校とPTAでは、警察へのパトロール強化のお願い、近隣の方々への「110番の家」への協力依頼、保護者有志によるパトロールの実施、防犯ベルの斡旋などの対策を行っていますが、それでも事件を防ぎきれるとは言えません。

 今回の防犯教室は、教育活動の中で、子どもたちに自分で自分の身を守る方法を教えて欲しい、という保護者たちの声もあり、学校側が企画したものです。保護者たちにも開放し、低学年、高学年の2回に分けて実施されました。

 新座警察署生活安全課の甲斐さんが、子どもたちが身を守る方法を「4つの約束」としてわかりやすく説明してくださいました。

(1)一人にならない

 不審者に遭わないために、まずは、一人で登下校しない、ということが最も大切です。でも一人になるのは家の外だけではありません。「家で一人で留守番をしたことのある人」との問いにほぼ全員の児童が手を挙げました。留守番の時に、だれかが来たり、電話がかかってきたらどうするか。居留守を使うのがいい? 答えはNO。留守となると、今度は空き巣などのターゲットになってしまうのです。この場合は「おかあさんは今忙しいので出られません、どちらさまですか」と聞く。大人がいると思わせることが大切。また、この対応なら、本当に用事のある人にも失礼にはなりません。
 マンションのエレベーターの中で一人になることもあります。こんな時、もし不審な人が乗り込んできたら、階のボタンを全部押し、止まったところで、すぐに逃げる。これは大人でも知っていると役立ちそう。

(2)知らない人についていかない

 こう言われても、低学年の子は、親しげに声をかけてくる人や、女性や中高生だと警戒せずついていってしまうことがあります。人なつこいのはいいですが危機意識が低いのは親としてとても心配。
 この約束では、「名前」「住んでいるところ」「何の仕事をしているか」を知らない人はすべて「知らない人」。相手が女性でも、中高校生でも絶対について行かないこと、を強調します。
 でも、本当に道がわからなくて声を掛けてくる人もあるかも知れないので、もし話しかけられたら、両手の幅くらいの距離を開けて対応する。それだけの距離があれば相手がつかまえようとしても身をかわすことができるのです。

(3)大声で助けを求める。

 万一、つかまってしまったら「わー」でも「きゃー」でも何でもいいので大声を出す。防犯ベルを携帯するのも有効。車につれ込まれそうになったら、車の進行方向と反対に逃げること。人間にはいくつか急所があるので、場合によってはそこを攻撃する。しかし、これは相手をひるませてその隙に逃げるためのもの。勝てるわけはないので、やっつけようなんて思わないこと。
 「護身術についてもっと教えて欲しい」という保護者の声があったので、後で甲斐さんに聞いてみたら、「護身術はかなり訓練を積んだ人でもなかなかとっさに使えるものではない。下手に使って却って相手を兆発する場合もあるし、自分がけがする場合もある。子どもが勝てるはずがないので、安易に奨められない」とのこと。

(4)外に遊びに行くときは、誰とどこで何時まで遊ぶか伝えてから

 これは「何時まで」を聞くのがポイント。「そのうち帰ってくるわ」と思って待っているうちに、子どもが事件に巻き込まれているかも知れません。帰宅時間を聞いていれば、何か起こった時に迅速に対応できるのです。

 以上の4つの約束を、最後に子どもたちみんなで、大きな声で繰り返して防犯教室はおしまい。参加していた保護者に感想を聞いてみました。

「居留守は使わないほうがいい、とか車と逆の方向に逃げるとか、簡単なことだが知らないと知っているとでは大違い。ためになりました。」

確かにためになる話だったが、子どもたちは1回聞いたくらいでは忘れてしまうのではないか。身につかないのではないか。甲斐さんに聞いてみました。

「本当は親子で講習を受けることが望ましい。そうすれば、家庭でも反復することができます。繰り返して身体に浸透させることが大切。また、特に(4)は親の協力もなければ意味がありません。」

 子どもの安全のために、「これで完璧」というような防犯対策はありません。しかし、やみくもに心配しているだけでは何にもならない…。考えられる限りのことはやっておきたいもの。防犯というと、防犯カメラ、警備員の配置などお金のかかることに、つい解決法を求めがちですが、まずはできることから、たとえば家庭内で防犯についてよく話し合っておくことから第一歩を進めてはいかがでしょうか。

(学びの場特派員:東野花子)


 

東野小学校のホームページ

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