2023.03.22
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新刊『心理的安全性と学級経営』

「心理的安全性(Psychological Safety)」とは、集団の中で、対人的な恐れがなく、安心して発言・行動できる心理的な状態を指します。Googleが「生産性の高いチームは心理的安全性が高い」との研究結果を発表し話題になりました。本書では、この心理的安全性と学級経営の関係を読み解いていきます。教室で心理的安全性を高めるにはどうすればよいのか、教師のリーダーシップはどうあるべきかをエピソードを交え紹介している本です。

大前先生より

今回の書籍は、学級経営の心理的な面に焦点を当てて解説したものです。学級経営では、集団づくりや、授業を行っていく必要があります。力のある先生でも、なぜか学級経営がうまくいかないことがあります。その理由は「心理的安全性」の確保ができていないことにあるかもしれません。

心理的安全性が学級に確保されていないと、集団づくりも授業も上手くいきません。2000年代になり、そのようなことが徐々に明らかになってきたのです。心理的安全性は、元々は企業や工場、医療や看護の世界を中心に広まってきた概念です。

「仕事がしやすい環境をつくる」
「モチベーションを高められる職場である」
「能力が高い人がそろっている」
「物やお金、場所などの資源が十分にある」

このような充実した環境にあっても、なぜか、個や集団のパフォーマンスが落ちることがあるのです。その第一の理由が「心理的安全性」にあることが明らかとなりました。医療現場では特に、心理的安全性を確保しないと、患者様への命に関わるとして、必ず確保しないといけないものとして認知されています。

学校現場ではあまり浸透していない考え方ですが、徐々に教育雑誌でも特集が組まれるなど、注目されてきています。それはひとえに、心理的安全性が学級に確保できていないと、学級経営が充実しないばかりか、子供にとって不利益が増大するためです。

そこで、様々なニーズや多様性をかかえる子供達が、学級で安心して過ごせるようにするための、心理的安全性を確保する理論・方法を具体例と共に示しました。

上手くいっている学級では、個も集団もハイパフォーマンスを発揮しています。学級経営のゴールはまさにこの状態にあります。心理的安全性を確保することに加えて、個や集団がハイパフォーマンスを発揮する方法も紹介しました。

実際の指導場面を多く紹介したので、若い先生だけでなく、学生さんやベテラン教師にもお役に立てると思います。今後、必ず必要となる概念の問題提起です。是非多くの教師の方の糧にしてほしいと思っています。

目次

CHAPTER 1 心理的安全性とは何か?
CHAPTER 2 心理的安全性を確保する土壌づくり
CHAPTER 3 心理的安全性を確保するための集団づくり・雰囲気づくり
CHAPTER 4 ハイパフォーマンスを発揮できる学級経営
CHAPTER 5 心理的安全性を確保する教師の姿勢
おわりに
引用・参考文献一覧

新刊『心理的安全性と学級経営』

著:大前 暁政
発行:東洋館出版社
定価:2,200円(税込)
仕様:224頁

文・画像提供:東洋館出版社

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