アグネスの教育アドバイス:片づけられない子への指導法は?
散らかしてよい場所と悪い場所を教える「子どもが玩具を散らかしっぱなしでなかなか片づけない」という子育ての悩みをあげる方は多くいます。「毎回ガミガミ叱るのもちょっと……」「何とか自分から片づけられるようになってほしい」等々の声にお応えし、今月はどうすれば子どもが片づけの習慣を身につけられるか、考えてみましょう。 まず大事な点は、きれいにしなくてはいけない場所と、しなくてもいい場所をメリハリつけて、子どもに教えることだと思います。家の中では、家族が集まるリビングやダイニング、外では一般の人たちが使う公共の場所、また友だちの家などは、たとえ遊んで散らかしても、最後はきちんと片づけて元の状態に戻さなくてはいけない、ということを小さい頃から言って聞かせましょう。 同時に、子どもの「自分の場所」をつくってあげて(部屋を与えなくても、ロープ等で一角を区切ってあげるだけでもよい)、そこは自由にしてよいけれど、それ以外の場所には自分のものを置きっぱなしにしないこと、と決めて守らせます。 我が家の息子たちには「自分の部屋以外の場所は常にきれいに! その場所で何かを広げたら、自分の部屋へ持ち帰ること」を0歳から言って聞かせていました。全ての場所を完全にきれいに片づけておく、となるとストレスがたまるものですが、きれいに保つ場所と、自由な場所を決めておくとハードルが低く、片づけ習慣を身につけやすいと思います。 コツはものを増やさないこと![]() 子どものものは油断しているとどんどん増えます。玩具も衣類も際限がありません。当たり前ですが、ものは増えれば増えるほど片づけが困難になります。そのため我が家では、「なるべくものは増やさない」を常に心がけてきました。 3人とも男の子なので、衣服は原則お下がり。「いいね、お兄ちゃんの洋服がもらえて!」と、私が価値のある物として表現していたら、息子たちは皆、お下がりを喜ぶようになりました。玩具は、年に1~2回仕分けをさせました。「これは残しておくか、弟にあげるか、バザーに出すか」と、本人に考えさせます。そうやって「ものをためない」ようにすると片づけが楽になるので、彼らもそれほどおっくうがらずに片づけるようになりました。 とは言え、子どもは何かに夢中になっていると、もうすぐ夕食の時間だと言ってもなかなか片づけないことがあります。そういう時は、子どもに「あと何分くらいで終わりそう?」と聞いて、交渉してみましょう。その際、大人の頭の中にある「何時から夕食で、その後皆で団らんして、お風呂に入って……」という段取りを、子どもにも話してみてください。すると、子どもも徐々にスケジュールを立てることを覚えていきます。「じゃあ、もう遊びをやめる時間だ。片づけよう」と、自分でも段取りをつけられるようになっていくでしょう。 このような習慣をつけさせた結果、我が家の息子たちは一人暮らしを始めてからも、あまりものを買わず、質素に暮らすようになっています。そして、いつ来客があっても大丈夫なように、ソファーのある場所はきれいに保つ等、片づけ習慣を自然と実行しています。 「清潔」こそが大事片づけと同様に、家の中を清潔に保つことも大切です。私は、常にほこりがたまらないよう気をつけ、トイレや洗面所、風呂場、台所等の水回りはピカピカな状態にしています。片づけられない子には、不潔な状態は健康を害することと、部屋を清潔に保つ必要性を説明し、掃除がいかに大事であるかを伝えましょう。 ところで、著名な作家、画家、音楽家等のアーティスト系の方の中には、ご自分の仕事場がゴチャゴチャに散らかっている人もかなりいます。そういう方にとっては散らかっているのではなく、芸術活動のヒントや材料が“置いてある”だけなのかもしれません。ですから、「なぜ、ウチの子は片づけられないのかしら!」と、必要以上に気をもむことはないと思います。最初に挙げた「片づけるべき場所」と「自由にしていい自分だけの場所」というメリハリをつける方法だけでも実行してみてください。 また、まれにADHD(注意欠陥多動障害)により片づけが苦手な子どももいます。片づけ以外にも注意欠陥の症状が見られる場合は、なるべく早めに専門家のカウンセリングや医師の診断を受けてください。
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アグネス・チャン 教育インタビュー





