2016.08.15
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支援がいる子への対応~大事にしている2つのこと~(2)

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

前回のCくんの話の続きです。

Cくんが、すぐに悪口を友達に全く言わないように変わりました・・・。

 

というようなサクセスストーリーにはすぐにはなりませんでした。

 

それ以降もCくんは友達に悪口を言いました。

ただ悪口を言ってしまった友達には、徐々に

すぐに「ごめんなさい」と言えるようにはなってきました。

しかしその1分後には「あほー」「ばか」「まぬけ」。 そ

友達も困惑していました。

 

そこであるとき、

「Cくん、にゃんと言ってないよね…。にゃんと言いなさい!」

 

とCくんを叱りました。

するとCくんは「え!?先生、本気だったの・・・」と驚きました。

 

この日を境に

だめなことや危険なことにはしっかり叱ることと

上のようなユーモアあるやりとり 

 

を繰り返したことで、

1年後、Cくんは友達に悪口や暴言を言うことが少なくなってきました。

ユーモアなやりとりで友達との関係が改善されたようでした。

厳しく叱っているときは、Cくんとの口喧嘩のようになっていました。

教室の雰囲気を殺伐としていました。

一方のユーモアなやりとりは、何かあたたかな雰囲気があるようでした。

 

支援がいる子にベストな対応の仕方はないと思っています。

その子の性格に応じた、そのときの状況に応じたベターな方法

を探っていかないといけないと考えています。

 

もちろんいつでもどんなときでもユーモアで返しているわけではありません。そ

の子を叱るときは、他の子と同様に叱ります。

 
「支援がいる子だから特別というわけではない。悪いことをしても何でも許していいわけではない。」

 過去に「何でも許す」先生に出会ったことがあります。

「この子はこうだから・・・」と他の子たちにも言い、同意を求めようとしていました。

こういったことをすべて否定するつもりはありません。

しかし周りの子たちは「子ども」です。納得しないこともあるでしょう。

そして何より支援のいる子にも「だめなことはしたらだめだということ」を教えないといけません。

だから私は支援がいる、いらない関係なしに、在籍している・していない関係なしにダメなことをしたときは同様に叱ります。

・  相手を傷つけるようなことをしたとき
・  命の危険
・  自分を傷つけるようなとき

この3つのときには叱るようにしています。

きっと賛否両論あることでしょう。

もちろん叱り方は変えています。

でも他の子と同様に叱ります。

これが私が大事にしていることのもう1つの「叱る」です。叱った後は、たくさん甘えさせました。

 これら2つのことに最初から気づいていたわけではありません。

6年生でDくんを担任した1年間で気づかされたことでした。

 

続く

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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