この連載の感想をいただくことがあります。
とてもありがたいことです。
その感想の中に、下のような感想がありました。
「万太郎先生って、ICTが得意ですよね。」
いえいえ、私は今でも得意な人間ではありません。
excelの関数、マクロ?ミクロ?Scratch?のプログラミングなどさっぱりわかりません。
wordやexcelも使うことで精一杯です。
どちらかといえば苦手なほうです。
5年前までは
「あいしーてぃー?タブレット?何のこと?。なんだよそれ。ぼくには関係ないや」
「スマートフォン?よくわからない。ぼくはガラケーで十分だ。」
こんなことを思っていました。
しかしそんな考えが今ではガラッと180°変わってしまいました・・・笑
考えを変えるタブレット端末って恐いですね・・・笑
流行語「目的ではなく手段である」
ICT界の流行語があります。
「ICTを使うことは、目的ではなく手段である」
この言葉に私は基本的に賛成です。
本時の学習目標を達成するためにICTを使う。
これは今はやりのアクティブラーニングでも同じことがいえると思います。
本時の学習目標を達成するためにアクティブラーニングを行う。
ICTを使うことが目的では、やはり授業がうまくいきません。
これはみなさんも経験があるのではないでしょうか。
なにか違和感のような、スムーズに流れない授業展開になってしまいます。
最悪は「活動あって学びなし」という状態になってしまいます。
ICTをとりいれた授業をどのように作る?
ICTをとりいれた授業をどのように作るのか。
ICTを取り入れる授業はこれまでの授業づくりとほとんど変わりません。
私の場合だと
本時の目標が決まった後、
本字の目標を達成するために教材について考え、
教材が決まればどのような手立てでしようか、どのような板書をしようか、どのような教具を使おうか
と考えていきます。その中で
「これをICTですれば便利かな!?」
「ICTを使えばここ子どもたちにわかりやすいかな!?」
といったときに使うようにしています。
これまで拡大コピーや書画カメラを取り入れていた感覚と似ています。
矛盾する話
矛盾する話ですが、最初は
「タブレット端末を使おうという目的」
でもいいのではないでしょうか。
最初は「使ってみる」という目的で使ってみて、失敗することも大事だと思います。
失敗することで、次につながっていきます。
授業展開がスムーズでなくてもいいんです。(もちろん研究授業ではなく普段の授業でしましょう。)
「目的」で使用した経験が、「手段」としてこう使えばいいんだとわかっていきます。
(私がそうでした。体験談です。)
「失敗は成功のもと」です。
算数科の5年の作図の授業で、子どもが作図する様子(全体の姿)を動画にとらせ、見せ合いっこするという全く有効ではない使い方をしていたのが、ぼくのスタートでした。
次号では算数科の授業でどのように取り入れているのか、私が1番有効だと考えている「思考の過程の可視化」について紹介します。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
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