前回の続きです。
前回はストップウォッチ機能でしたが、今回は
写真・ビデオ機能
を使います。今回は「給食時間」、「掃除時間」で紹介していきます。
(3)「給食時間」×「写真・ビデオ機能」
前回紹介した方法では、いつか子どもたちに飽きがきます。
(飽きがくるのは仕方がないことです。)
そんなとき、給食の準備や配膳中の様子を写真やビデオで撮ります。
こちらの指導も手を変え、品を変える必要があります。
子どもたちには
「みんなよくできているから、記録として写真やビデオで残しておきたいな。」
と言うと不思議なもので、子どもたちは集中して取り組みます。
また食事中には楽しい?行儀のよい?食事風景を撮っておきます。
(4)「掃除時間」×「写真・ビデオ機能」
掃除時間も同じです。
きちんと掃除ができている子を写真にとり、テレビに流しておきます。
「みんなのお手本です。この子のようになりましょう。」
という一言で、子どもたちは変わります。
(間違っても、掃除をしていない子を撮ったりしてはダメです。
タブレット端末が子どもたちにとって嫌なツールになってしまいます。)
あるときには
「1週間に1枚、がんばっている掃除の様子を写真にとります。
ただしいつ撮りにいくかは内緒です。」
と宣言しておきます。これもテレビに流しておきます。クラス40人いれば、40枚たまるはずです。
しかし掃除をきちんとできていない子は写真がありません。そしてテレビに流れません。するとその子達は焦り始め、そうじをがんばります。
ビデオをとることもあります。カメラ機能のなかにあるビデオを使います。
タブレット端末なので持ち運びができるため、全員の掃除場所に行き、ビデオをとることができます。日によっては、その映像をテレビにつなげて流し、反省会です。
(反省会はマイナスなところを言うだけでの会ではありません。プラスなところも言い
合います)
さらに「お家の人にも見せるね」と伝えると、子どもたちはよりがんばります。
(脅しのようになっていますが・・・。)
(5)撮った写真や動画の活用法
撮った写真と動画は、アプリを使い1つのデータにつなげます。
私は基本的には写真や動画自体を編集はしません。なぜなら時間がかかるからです。
(写真や動画を撮ったとき確認し、いらないと思えばその場で消します。)
つなげたデータは、懇談会などでお家の人にみてもらいます。
「ありのまま」の子どもたちをみて、お家の人たちからも好評です。
学年の最後には、「思い出」としてみんなでふりかえることができます。
カメラやビデオやストップウォッチや動画編集などを1台で行うことができます。
これがタブレット端末の便利さです。
こちらが「協力しなさい」とか「一生懸命にしなさい」とか言うことなく、
子どもたちの中から一生懸命に取り組む姿を引き出すことができます。
このような姿がルールの定着へと結びつきます。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
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前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師 -
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