新学期がはじまって早1ヶ月。
クラスのルールは子どもたちに定着してきたでしょうか?
最初の1週間、子どもたちは頑張っていたけど・・・。
子どもたちの猫の皮が何枚もめくれてしまって・・・。
先生の声が枯れてきてしまって・・・。
(1)クラスのルール
クラスのルールには、
学習の仕方、朝の会の進め方、給食の仕方、そうじの仕方、休み時間の過ごし方、持ち物、連絡帳の書き方、終わりの会の進め方、先生がギャグをいったときのツッコミの仕方?
など、たくさんあります。
クラスのルールの根本は一緒です。
しかし担任の先生のカラーによって、細かな部分が毎年マイナーチェンジします。
1年経てば、担任も変わり、ルールも変化します。それを6年間経験してきている子どもたちはすごいですね。
子どもたちの中には、「去年のルールの方がよかった」と思う子も正直いることでしょう。
これだけのルールをクラスに定着させるには、やはり手立てが必要です。
まずはルールを口頭で説明します。
それに加え、
・朝の会の進め方をプリントに書いておき、それを見たら誰でも進行できる。
・給食当番表やそうじ当番表を作り、「誰が何の当番か」がわかるようにする。
といった手立てを行います。これらは定番の手立てです。
これらの手立てに、さらに手立てを加えることで、よりルールが定着します
その手立てを加えるために使うのが「タブレット端末」です。
「学級経営」×「タブレット端末」=ルールの定着
です。今回は「給食時間」を取り上げ、タブレット端末の機能にある「ストップウォッチ機能」を使う事例を紹介します。
(2)「給食時間」×「ストップウォッチ機能」
給食時間を「休み」時間と子どもたちは捉えがちです。
ちなみに休み時間は「遊び時間」と捉えがちです・・・。
(本当は遊びではなく、休む時間・・・。給食の時間も学習の時間です。)
だから
「給食時間」=「休み時間」=「遊び時間」
という謎の図式が子どもたちの中に生まれています。
そういったことも原因になるのか、
「なかなかエプロンに着替えなくて、給食をとりにいくのに時間がかかる。」
「給食をもってきて配膳を完了するまでに時間がかかる。」
こういった経験、みなさんないでしょうか。
こういったことを解消するために
・タイマーを黒板に貼り、「○分以内」で並ぶもしくは準備
といった手立てが行われています。
この実践にさらに手立てを加えます。
・大型テレビにiPadを接続します。
・そして時計機能にあるストップウォッチを使います。
・ストップウォッチをテレビに映し出します。
さらに
・「4年生だったら、7分くらいで準備できたらたいしたものだよ。」
と言います。目安の時間を提示するのです。
ただ4年生で7分は遅いです(笑)
4年生で7分あれば、おしゃべりしていても100%達成できます。
子どもたちも「先生できるよ!馬鹿にしないでよ。」といったことを言うかもしれません。
子どもたちをあおっています。
でも、1回目のときに目標設定をクリアできることを実感させておくことは大切です。
「目標をクリアすることができた!」という成功体験をさせておけば、
「ぼくたち、私たちはできるんだ!」と子どもたちは思うからです。
「よーい、スタート」。子どもたちは時間をクリアしようとがんばります。
新記録がでたときには、後ろの黒板にタイムをかいておきます。
給食当番対抗にしても盛り上がります。
子どもたちは新記録をだそうといつの間にか、おしゃべりをすることなく、一生懸命に取り組みます。みんなで協力して取り組まないと、新記録はなかなかでません。
配膳のときも同様です。私は「12分」という目安を伝え、行います。
今回はストップウォッチ機能を使いましたが、給食時間にはビデオ機能もよく使います。この手立てについては次回、「「タブレット端末」×「学級経営」~クラスのルールを定着させるために(2)~」で紹介します。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
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