今回は、子どもの「メタ認知」を考えてみます。
子どもにそんな難しそうなことができるのかという声が聞こえてきそうですが、私は、小学校中学年から発達段階に応じて可能だと考えています。
「メタ認知」とは、自分自身の行動や思考そのものを、客観的に把握し認識する力と言われています。メタ認知活動=自己評価活動と捉えています。自己の主張や思考の過程を振り返る行為を学習過程に組み込むんだ実践について紹介します。
なぜ、子どもの自己評価活動が必要なのでしょうか。
教育の目標である「生きる力」とは自ら学び、自ら考える~といった学習者自身の主体性がその根底にあります。つまり、学習者自身が自分の学びについてその過程や結果を価値づけ、望ましい自分へと変えていく方略が必要です。そのため自己評価活動(メタ認知活動)は重要な活動だと考えました。
一般的には、振り返りカードや自己評価カード、自己評価表などを活用することが多くみられます。私はこの他にも、主に社会科ではイメージマップ(写真参照)を取り入れています。
イメージマップとは、その単元でキーとなる単語からイメージされること(既有知識や経験知、学んだ学習内容)を自分自身でつないで図式化するものです。事象と事象を関係づけたり、社会のしくみを考えたりする自己評価道具です。複数回書いたイメージマップを学習者自身が比べることで、自分の学びの様子や、自分の意見の変化などをメタ認知します。
以下、社会科中学年「安全なくらし」のイメージマップ(編集の都合上、一部分のみ)を例に,子どもの意識や認識について,子ども自身の振り返りと教師の見取りの一例です。
【A児のイメージマップ1(第1次)】(写真:中)
火事-たばこ-ライター-もえやすい物
-消防士-消防車-119-車庫
-ハンカチ-にげる-おはしを守る
<第1次 A児の感想より>
・火事になりやすい物を書いた
・火事がおきたらこわいなあと思った
第一次において,A児の問題意識は火事の原因に向いていました。火事はこわいという思いから,「強い気持ちがないと消防士さんにはなれないだろう」と自分なりの予想をもちました。そこから消防士の仕事への関心がうまれました。
【A児のイメージマップ2(第2次)】(写真:下)
火事-消防署-仮眠室-消防士-5分で
-学校-安全-ホース20M-消火栓
-消防団-社町38団体-減る-女性団員
<第2次 A児の感想より>
・消防団や消防士のことをくわしく書いた
・安全のたいさくがいっぱいわかった。
第二次のイメージマップでは,A児は第一次と比べ,「消防署と消防団など消火する人をむすんで,安全のための対策をいっぱい書いたのでよくわかった」と違いを振り返り,「みんなが考えを言い合いして,安全だったらこういう意味があるとわかった」と自分の学びをメタ認知しました。A児はイメージマップを書くことを好み,キーワードやカテゴリーが増えていくごとに意欲を出して取り組みました。
このように、自己評価活動(メタ認知活動)は、やらされる活動としてではなく、その子どもなりに楽しみながらも成就感を味わうことができる工夫が必要であると思います。本実践では、自己評価活動(メタ認知活動)を特別な活動としてではなく,自らが学習したことを表現する中で、これまでの学習を必然的に振り返る方法として設定しました。
また、対話の中で教師が子どもの発言や表現物に対して,価値づける言葉がけを積極的に行うことが合わせて重要です。自己評価と言うことで子どもだけの気づきに任せるのではなく、教師からの価値づけ等、他者評価を意図的に入れる中で、自己評価が促進すると考えます。
子どもにそんな難しそうなことができるのかという声が聞こえてきそうですが、私は、小学校中学年から発達段階に応じて可能だと考えています。
「メタ認知」とは、自分自身の行動や思考そのものを、客観的に把握し認識する力と言われています。メタ認知活動=自己評価活動と捉えています。自己の主張や思考の過程を振り返る行為を学習過程に組み込むんだ実践について紹介します。
なぜ、子どもの自己評価活動が必要なのでしょうか。
教育の目標である「生きる力」とは自ら学び、自ら考える~といった学習者自身の主体性がその根底にあります。つまり、学習者自身が自分の学びについてその過程や結果を価値づけ、望ましい自分へと変えていく方略が必要です。そのため自己評価活動(メタ認知活動)は重要な活動だと考えました。
一般的には、振り返りカードや自己評価カード、自己評価表などを活用することが多くみられます。私はこの他にも、主に社会科ではイメージマップ(写真参照)を取り入れています。
イメージマップとは、その単元でキーとなる単語からイメージされること(既有知識や経験知、学んだ学習内容)を自分自身でつないで図式化するものです。事象と事象を関係づけたり、社会のしくみを考えたりする自己評価道具です。複数回書いたイメージマップを学習者自身が比べることで、自分の学びの様子や、自分の意見の変化などをメタ認知します。
以下、社会科中学年「安全なくらし」のイメージマップ(編集の都合上、一部分のみ)を例に,子どもの意識や認識について,子ども自身の振り返りと教師の見取りの一例です。
【A児のイメージマップ1(第1次)】(写真:中)
火事-たばこ-ライター-もえやすい物
-消防士-消防車-119-車庫
-ハンカチ-にげる-おはしを守る
<第1次 A児の感想より>
・火事になりやすい物を書いた
・火事がおきたらこわいなあと思った
第一次において,A児の問題意識は火事の原因に向いていました。火事はこわいという思いから,「強い気持ちがないと消防士さんにはなれないだろう」と自分なりの予想をもちました。そこから消防士の仕事への関心がうまれました。
【A児のイメージマップ2(第2次)】(写真:下)
火事-消防署-仮眠室-消防士-5分で
-学校-安全-ホース20M-消火栓
-消防団-社町38団体-減る-女性団員
<第2次 A児の感想より>
・消防団や消防士のことをくわしく書いた
・安全のたいさくがいっぱいわかった。
第二次のイメージマップでは,A児は第一次と比べ,「消防署と消防団など消火する人をむすんで,安全のための対策をいっぱい書いたのでよくわかった」と違いを振り返り,「みんなが考えを言い合いして,安全だったらこういう意味があるとわかった」と自分の学びをメタ認知しました。A児はイメージマップを書くことを好み,キーワードやカテゴリーが増えていくごとに意欲を出して取り組みました。
このように、自己評価活動(メタ認知活動)は、やらされる活動としてではなく、その子どもなりに楽しみながらも成就感を味わうことができる工夫が必要であると思います。本実践では、自己評価活動(メタ認知活動)を特別な活動としてではなく,自らが学習したことを表現する中で、これまでの学習を必然的に振り返る方法として設定しました。
また、対話の中で教師が子どもの発言や表現物に対して,価値づける言葉がけを積極的に行うことが合わせて重要です。自己評価と言うことで子どもだけの気づきに任せるのではなく、教師からの価値づけ等、他者評価を意図的に入れる中で、自己評価が促進すると考えます。




高岡 昌司(たかおか しょうじ)
岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 主任
教育行政職3年目です。授業談義できる場を求めています。この場を借りて授業実践や学級経営についての意見交換ができたらいいなあと思っています。専門は社会科教育です。
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