魔の6月を乗り切るために、今のうちからできる2つの方法!
振り返ってみると、もう5月が終わりますね。本当にあっという間です。そして、今年も魔の6月がやってきます。なぜ魔の6月かというと、この時期にクラスのトラブルが多くなってくるからです。休み時間は、子どもの揉め事の対応に追われることも増えてきます。ですから、まずは今回紹介する2つのことについて、子どもたちに話をする機会をつくりましょう。そして、魔の6月を乗り越えていきましょう。
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭 神保 勇児
不確かな情報は信じない広めない
私は高学年を持つことが多いのですが、その時によく聞く言葉が「〜さん(くん)が言ってたらしいよ(言ってたよ)」です。例えば、「君のことをA君が嫌いらしいよ」などです。この「らしい」というのがかなり曲者で、不確かな情報です。でも、言われた子はかなり傷つきます。私もこの不確かな情報でかなり悩まされたことがありました。
当時、関係している子に話を聞いていくと、伝言ゲームのように伝わっていることがわかりました。発信元の子に尋ねてみると、「おはようって言ったのに、無視をしてて嫌だなってB君に話していただけ」ということでした。何と、「嫌い」なんていう言葉は全く使っておらず、ただの悩みを友達に相談しただけだったのです。それをそばで聞いていたC君がD君に伝え、そのD君が・・・と伝言されていったのでした。そして、広まるにつれて、「嫌だ」が「嫌い」に変化しました。
また、こんなこともありました。Eさんは「みんなあなたのことが嫌いだよ」という話を聞きました。これも、結局は不確かな情報で、もともと仲良し3人に行き違いがあったことが発端です。それが、噂のように広まっていく中で、「みんな」という言葉がついてしまいました。でも関係した子に話を聞いていくと、みんなではなく2人だけした。
このように、不確かな情報を信じて広めてしまったことで、かなりややこしいことに発展してしまうケースは後を絶ちません。クラスの様子をみて、子どもたちの「〜らしい」「みんなも〜」というような言葉が出てくると赤信号です。ですから、今のうちにクラスの朝の会や帰りの会、学年集会などの機会をつくり、「不確かな情報は信じない広めない」ことを子どもに指導しておくとよいでしょう。
いらない持ち物を持ってきていないか確認をする
教室で丸つけなどをしているときなどに、「Fさんが匂いのする消しゴムを持ってきてたよ」と子どもが言ってくることはありませんか?
実は、これは気を付けるポイントです。子どもの持ち物が変化した時は、注意深くみて指導することが大切です。例えば、学校が推奨していない、必要のない物を持ってきている場合や1000円以上もするペンなど華美な物や高価な物を持ってきている場合などです。
いらない持ち物を持ってきているのを見かけたら、「どうして持ってきているの?」と声をかけてみましょう。子どもなりの言い分があるかもしれません。時には、「先生に許可を取りました」などと言ってくる子もいるかもしれません。その場合は、その先生に確認をとりましょう。先生の話を子どもが取り違えているケースもあるからです。その上で、「大切な物だから、なくなってしまうと悲しいでしょ。お家で大切に使いましょうね」などと伝え、必要のない物を持ち帰るように指導します。子どもの心が持ち物に表れてくることもありますので、子どもの持ち物に変化がないかどうか注意深くみていきましょう。
子どもの持ち物を確認しやすい方法があります。机の中やロッカーの整理をする時間を取るのです。できれば、2週に1回や月に1回など、定期的に整理をする時間を取るとよいです。子どもが筆箱やお道具箱の中を整理している時に、どんな持ち物を持ってきているのかをみていきます。その時に、必要のない物を持ってきていたら、声をかけるとよいでしょう。
今回のお話はいかがでしたか?
この内容は、授業スキルアップ研究会でも扱っています。また、授業に関する内容は、『子どもがなぜか話したくなる 算数ファシリテーション入門』(東洋館出版社)や『学び合いコーディネートスキル60』(明治図書)もぜひ参考にしてみてください。
関連リンク
神保 勇児(じんぼ ゆうじ)
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
2020年度はコロナウィルスでの休校期間でオンライン授業を多く行うことがありました。その時に得た、オンラインでも使える問題の見つけ方、子供の自力解決の見取り方、つぶやきの拾い方、発表検討のさせ方など紹介していきます。
「jimbochanのブログ」https://jimbochan.hatenablog.com/
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