2021.02.05
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漢字学習と○○~楽しく漢字学習を進められるワークシートの工夫~

年度末に近づき、学年の学習内容のまとめに入る時期となってきました。通常の教科・領域の学習内容を修了式までに完了させなければいけない一方で、漢字学習に関しては進度は各学級任せだったり、学年での足並みをそろえるなど、多種多様だと思われます。そして、その多種多様さに児童や保護者、または放課後学習支援の先生方も合わせていくと予想がされます。

今回は、児童が「書きやすい・取り組みやすい」というだけではなく、支援・サポートに入る保護者の方などにも「分かりやすい・支援しやすい」漢字学習のワークシートのご紹介です。

長野県公立小学校非常勤講師 清水 智

1.一日につき一文字でも学期内に終わる!

基本的なシート。一日一文字で進めていきます。基本的にドリルに合わせて作っています。

始業式当日から始まり土日祝日も含めると、どの学年でも学期内にはドリル等に配当されている漢字が必ず終わります。3学期に関しては、2月上旬にには終わってしまいます。一日つき一文字ですから、国語やドリルタイムなどでパターン化して実施することで、時短化が図れます。

早く完了した分だけ、小テスト(10問)や、まとめテスト(50問)などにも何度も取り掛かれます。

◇小テスト → 自分の苦手とする漢字等に気付くため
◇まとめテスト → 得意な漢字は継続的に。苦手な漢字はここで実力発揮。

一日一文字にすることで、いつまでに・どこまでをやっておくと良いのか、見通しをもつことができます。また、臨時休業等での家庭学習時にも同様の対応が取りやすいです。学習の進め方が学級や学年によって大きく異なる漢字学習だからこそ、進め方はシンプルが良いと思われます。

2.ドリル本体を見て写す=視写も漢字学習

空きスペースを有効活用。理科や社会科等の学習内容定着にも使えます。

書き順や読み方等は全体指導(国語の時間や学活等)で実施。その他、熟語や関連語句など「ドリル本体を見れば大体が分かること」に関しては自由進度学習で実施。

某メーカーでは、教師用として書き順や熟語クイズ等をアプリとして購入者のみ無料配布しており、国語の冒頭の時間や最後の時間等で書き順などを確認することができます。

また、上記のようなアプリをタブレット等にインストールすることで個別の漢字学習支援にもつなげることができます。(指やタッチペンでなぞれる端末がオススメ)

お手本となる漢字ドリルさえ手元にあれば、教室内外どこでも勉強ができるのがこの漢字学習シートの良さ。多忙な下校後の合間を縫って、もしくは放課後の時間を使っても実施可能です。

宿題は家でやるものという概念にあてはまらない・厳しい環境の子どもがいるのも現実です。放課後の静かな教室、学童、その他の時間等。学びの場はどこにでもあります。

ゆえに、漢字ドリルを使う学習は、オフライン学習でありながら、いつでも・どこでも学習できるという側面をもっています。これを使わない手はないです。

3.たまにはお楽しみも。創造的に書いてみよう!

お楽しみ漢字学習「創造作文」。お題は毎回クリエイティブなもの。思わず書きたくなるお題にすることで、他者作品を聞きたくなる場作りにも繋がります。

理科や社会科などの漢字以外のコンテンツとして、ここでは「創造作文」をご紹介します。

  1. お題は書き手がワクワクするもの
  2. 字数制限を設ける
  3. 創造性に期待する

「楽しい」作文を経験することで文章作成に対する心理的ハードルを下げることをねらいます。楽しさの原点はワクワク感や高揚感。なので、お題が非常に重要だと思われます。

また、字数制限は現状の評価テスト(定期テストや入試など)での字数制限への準備にもなります。昨今の入試問題では「説明しなさい」という問題が多くなりましたね。

創造的な作品、個性が存分に発揮していいという心理的ハードルが下がった学びは、自分の作品を見てもらいたい、友達の作品を見たいという行動にも繋がっていきます。

おわりに

漢字学習はこれ!といった正解はありません。学級の実態、これまでの学習経験、教材……多様な条件を考慮して、よりベターな方法で学ぶのがよいと考えています。

ただ、一昔前のようにひたすらマスノートに「書く」という学習方法では、学習ではなく作業になってしまうのは目に見えています。授業以外の漢字習得の時間でも楽しく学べる漢字学習とは。

みなさんはどのようにお考えになりますか?

清水 智(しみず さとし)

長野県公立小学校非常勤講師


元東京都公立小学校主幹教諭/現長野県公立小学校非常勤講師/教育ICT・学級経営コンサルタント/Google認定教育者レベル2

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