2016.09.22
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事前に考えていなかった考えがでてきたとき

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

授業をしていると、事前に考えていた考えとは違った考えが子どもたちから出てくる

ということがありませんか?

こんなとき、みなさんはどうしますか?

考えに付き合いますか?それとも・・・。

先日、算数で「大きさくらべ」という学習を1年生の子たちと行いました。
水が入っている2つの形の容器(①には500ML.②には400ML)を提示し、

見た目だけでどちらが多く入っているか予想をまず立てます。
予想を聞いた後は、どちらが多く入っているのかを確かめる方法について考え、
同じ大きさの容器に水を移し、比較して大きさを比べるという展開を考えていました。

そして事前には、どちらが多く入っているのかを確かめる方法として、

・持ってみる。

・片一方の容器を空にして、水を入れる。

・同じ容器を2つ用意し、そこにいれる。

ということが子どもたちから出てくるだろうと予想していました。


しかし、実際の授業では、「シーソー」という考えがでてきました。
「シーソー!?」

と私は事前には全く考えていなかった考えがでてきたため、驚きました。

みなさんも「シーソー」ってでてきたら、驚きませんか?

しかし、

他の子どもたちは、「あーなるほど」と納得しているのです。

そんな姿をみて、「え!?どうして納得するの?」と思いました。

このとき、 私はこの考えをみんなで共有することにしました。
ある子が、

「シーソーにのせると重いものが下がり、軽いものが上がる」

という話をしはじめました。

話だけでは、この考えがわからない子もいると思い、黒板にまとめたのですが、このことも全員がこの考えを理解しているようでした。

実は本校にはシーソーがあり、子どもたちはシーソーでよく遊んでいます。

そういった学校での遊びの経験や公園で遊んだ経験を元に、理解し、そして考え方として思いついたのです。
授業をしながら、「子どもたちの遊びの中での経験」ととても感心しました。
この後、さらに驚かされました。
「この問題は重さは聞いていないよ」と私は子どもたちに言いました。
するとある女の子が、

「人間って、水でできているって、CMでやっていたよ。だから、重さでもいけるんじゃないの?」

と言ったことに、周りの子が「おお~!」と共感。

子どもたちは「1mL=1g」と言うことはまだ知らなくても、

生活経験からなんとなくわかっているようでした。

子どもたちの考えに付き合った素敵な時間でした。

以前の私なら、イレギュラーと言える「シーソー」という考えは扱わなかったかもしれません。
自分が考えていた授業展開通りではなく、こうした考えに付き合うことが、

子どもたちの間に発表する喜びや認められているという思いを育てることになるのではないでしょうか。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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