2021.05.31
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<特集>学習者用デジタル教科書(vol.4) 帝国書院:GIGAスクール端末でサクサク動く『超教科書』

デジタル教科書によって何ができるようになるのか、先生の指導や子どもの学習の在り方はどのように変わっていくのか、教育出版に続き、vol.4では、帝国書院にお話を伺いました。

新ビューア『超教科書』を共同開発

Q1 デジタル教科書はいつから発行されていますか。開発の歴史などを教えてください。

2011年度から小学校指導者用デジタル教科書を発行し、2015年度・2016年度に続き、現行版(2020年度発行)の小学校用の地図と中学校用(2021年度発行)の地図・地理・歴史・公民のデジタル教科書が3回目の発行となります。

現行版は、GIGAスクール構想を見据えて、電子書籍の開発実績を持つBPS株式会社と教科書発行者の株式会社新興出版社啓林館と組んで、今までの知見やノウハウを踏まえて新ビューア『超教科書』を共同開発しました。

“劇的に進化! サクサク動く!”

Q2 学習者用デジタル教科書の特徴を教えてください。

①快適な動作スピードと操作
GIGAスクール構想の「児童・生徒の1人1台タブレット端末の整備」を見据えて、起動スピードやデータの読み込みスピードを大幅に改善し、様々な使用環境でストレスなくデジタル教科書を使えるようになりました。

②ページへの書き込みを共有できる「超しおり」
「超しおり」を付けて保存すると、対象ページへの書き込み情報が時系列やファイル名などで振り返ることができます。また、「超しおり」をファイルとしてインポート・エクスポートできるため、オフライン環境で情報共有できます。 「GIGAスクール構想」により児童生徒1人1台端末と大容量ネットワーク環境が整備されると、デジタル教科書・教材はさらに欠かせない教材ツールとなります。その中で、「超教科書」と帝国書院のコンテンツを有効活用することで、主体的・対話的で深い学びが実現できます。

③充実した特別支援教育に対応した機能
学習支援が必要な児童・生徒向けに、リフロー表示(端末の画面サイズや文字サイズの変更などに合わせて、テキストやレイアウトが流動的に変化する表示方式)や読み上げ、総ルビ表示、白黒反転表示を用意しています。

④カスタマイズできるツールバー
デジタル教科書の機能のうち、ツールバーに表示させたいボタンだけを表示させたり、表示順序を自由に並べ替えたりすることができます。

  • 「超しおり」の設定画面。「つくる」ボタンを押すと、書き込みや拡大率などを保存できます。「あげる」「もらう」ボタンを押すと、同じデジタル教科書・教材を持っているユーザー同士で、作成したしおりのデータを共有できます。

  • 教科書紙面と同様の表示形式にした場合。

  • リフロー表示形式にした場合。

  • ツールバーの設定画面。

コミュニケーションツールの1つに

Q3 デジタル教科書の使用によって、指導や学習の在り方はどのように変わっていきそうですか。

文部科学省による「GIGAスクール構想」が実現すると、児童・生徒が1人1台端末を持つようになり、タブレット端末を文房具のように扱えるようになります。そして、学校だけでなく家庭でもデジタル教科書を使えるようになることが予想されます。

デジタル教科書に収録されている動画やアニメーションなどの各種コンテンツを活用することで、紙の教科書で説明されている事象についてイメージを具現化することができるので、実社会に対する興味・関心を高めることができます。また、自分の意見や思考過程をデータとして記録し、画面上でほかの児童・生徒と共有することも簡単にできるので、紙の教科書ではできないコミュニケーションをとることもできます。

最終的に、紙の教科書に加えてデジタル教科書を使うことで、指導方法や学習方法の選択肢が増えるので、一人ひとりの児童・生徒の特性や能力に応じた最適な学習が可能になると考えます。

次回vol.5では、東京書籍にお話を伺います。

文・画像:帝国書院

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

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