2018.08.17
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北海道150年遠隔交流授業「私たちが考える北海道150年」 札幌市立屯田北小学校ー旭川市立陵雲小学校

株式会社内田洋行と、札幌市立屯田北小学校(校長:永井敬仁)、旭川市立陵雲小学校(校長:岡崎良昭)の3者は、2018年7月24日(火)に道内の教職員のみなさまを対象に『北海道150年企画 遠隔地合同授業~私たちが考える北海道150年~』と題する遠隔会議システムを活用した公開授業を実施しました。

概要

<授業クラス>
札幌市立屯田北小学校 6年1組29名
教諭 宮越 博之 氏(授業支援者 主幹教諭 朝倉 一民 氏)

旭川市立陵雲小学校 6年2組42名
教諭 樋口 奨 氏(授業支援者 主幹教諭 田村 貴史 氏)

※なお本企画は北海道社会科教育連盟委員長 新保元康氏(札幌市立屯田小学校 校長)にご助言をいただいています。

<後援>
北海道150年事業実行委員会、北海道教育委員会、札幌市教育委員会、旭川市教育委員会

<特別協力>
北海道社会科教育連盟、パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社

授業内容

北海道150年遠隔交流授業では、札幌市立屯田北小学校と旭川市立陵雲小学校を遠隔会議システムで結び、事前に作成した「北海道150年シンボル」を発表して投票をする交流授業を行いました。
教科書が異なる2校は遠隔交流授業を行うにあたり、次期学習指導要領で重視されている「カリキュラム・マネジメント」の観点から、各々の教科書の教科書の単元等に基づきながら複数の教科を横断的に学習する「北海道150年特別カリキュラム」として8~9時間の単元計画を作成しました。

  • 指導目標

北海道150年にちなんだシンボルを屯田北小学校、陵雲小学校の児童が協働的に作成する活動を通して、以下の資質・能力を育成する。

  1. 北海道のよさ(歴史・文化、自然・動物、街の魅力、特産物)に関する知識や資料を読み取る力を身に付けさせる。
  2. 収集・分析をした情報を基に、自分たちの考えを他者に適切に伝える力を育む。
  3. 他者と協働して主体的に学ぼうとする態度や北海道への愛情の素地を養う。
  • 単元構成

屯田北小学校:社会科4、国語科2、道徳科1、総合的な学習の時間1、学級活動1

陵雲小学校:総合的な学習の時間6、社会科1、学級活動1

  • 本時の指導目標(総合的な学習の時間)

屯田北小学校と陵雲小学校の6年生児童は150年を記念するシンボルについて、遠隔会議システムを活用して説明し合うことを通して、他校のキャラクターのよさを選定の観点に基づいて考え、根拠をもって投票できるようにする。

事前授業

  • 板書
  • 振り返り1
  • 振り返り2
  • キャラクター
各学校は各々の単元計画に基づき事前授業を実施しました。子どもたちは、事前授業の中で、150年前の北海道の様子や松浦武四郎の偉業を調べるなど、北海道の歴史や魅力を学び、その成果を「北海道150年シンボルキャラクター」に表現しました。

事前交流授業

  • 屯田北小学校1
  • 屯田北小学校2
  • 陵雲小学校1
  • 陵雲小学校2
お互いの学校・学級・街の紹介などを行う事前交流を実施しました。プレ授業を行うことで、本番では初対面ではなくなり、距離が離れている相手と遠隔交流することへの期待が高まりました。また遠隔交流を通して、お互いの学校が距離は離れているものの同じ目標に向って一緒に活動をしていることを子どもたちは認識しました。

公開授業

  • 屯田北小学校3
  • 屯田北小学校4
  • 陵雲小学校3
  • 屯田北小学校5

子どもたちは事前に作成した「北海道150年シンボルキャラクター」をタブレットで操作しながら発表しました。シンボルキャラクターは北海道の文化であるアイヌ文化、北海道を開拓し豊かにすることに尽力した屯田兵、よさこいソーランまつり、特産品、動物、自然などの要素を北海道の魅力・特徴を盛り込んで作成しました。「北海道の人たちがさらに幸せになってほしい」、「北海道150年は沢山の人々が協力してきた時代そのもの。沢山の人々が積み上げてきた思いや願いをずっと大切にしていきたい。」、「これからの北海道が明るく輝けるように」などシンボルキャラクターに込めた北海道の魅力や想いを互いに伝え合いました。

また発表後には互いに質問をし合い、相手の考えを理解する時間を設けました。距離の離れた学校の児童同士で、異なった視点からの発想や、多様な意見に触れることで、さらに北海道に対する魅力に気づくことができたのです。自校の児童にはなかった考え方を聞くことで、視野が広がり、自分の考えの良さに気付いた児童もいたと感じました。

最後には各学校で意見を交換しながら各学校が相手校の1位のシンボルキャラクターに投票し、結果発表を行いました。 授業を通して子どもたちからは「距離のある地域の子どもたちとも、一緒に遠隔授業で楽しく交流できるのでいいと思う。」「150キロも離れたクラス同士でこのような体験ができるのは貴重な体験だった。」という感想がありました。 保護者からは「恥ずかしくて発表していなくても、心の中ではこの授業に取り組むということが自信に繋がって、家では自信を持ってこの授業の話をしています」という学ぶことへの意欲に繋がる感想がありました。 参加者からは「子どもたちの集中力を高めるためにはICTの活用はこれからも大切になる」という意見があり、単元全体を通して、北海道の魅力を学ぶだけでなく、相手校の児童の発表を聞いて、考えを広げながら興味・関心をもって授業に取り組んだ子どもたちの姿が見受けられました。

遠隔授業を語る会

  • 遠隔授業を語る会1
  • 遠隔授業を語る会2
授業後に札幌会場と旭川会場を引き続き遠隔会議システムで接続し、遠隔授業に関しての意見交換会を実施しました。
授業者の先生からは「北海道は魅力的な土地である一方、広大な大地なので都市間に距離があり不便なところもある。しかしそういう場合でも遠隔会議システムを活用することで、距離が離れた子たちとも簡単に交流することができると感じた子どもたちが多かった」「子どもたちは、初めて出会う子たちと一緒の授業を作るということに対しての意欲が学習の中でずっと続いていった。キャラクター作りを通して北海道の魅力や北海道150年に想いを馳せることが出来た。」「遠隔授業というと離島や複式学級で活用することで話題になることが多いが、今回は人口が多い都市同士でやっても、子どもたちにとっては同じ世代の会ったことがない子達と交流するということは思った以上に子どもたちの心に与えるインパクトが大きいということがわかった。子どもたちは家庭でテレビ電話を利用したとことがあっても、距離が離れた子どもたちと学びをつくるという機会はなかった。これからの時代、遠隔授業は環境に問わずどの学級であっても大事になってくる学びの形態なのではないか。」という感想と意見をいただきました。

一方で「普段の授業よりも教師が話す回数が多くなった。日常から遠隔授業を行えば子どもたち同士の会話ももっと増えるし、交流が目的の授業の場合には子どもたち同士が自由に話し合う時間を取り入れることもそのような時間を設けることも必要」という課題の意見もありました。
また「高校は遠隔授業も単位と認定する制度があり、北海道では高校が中心に環境整備が進んでいる。小学校でもどのような授業で活用できるかを検討・検証をしている。」「遠隔授業は遠隔地同士でなくても、町内同士の交流などにも活用できる」など参加いただいた教育委員会・学校の先生からも、遠隔授業の現状やこれからの活用法について意見交換が行われました。

※公開授業では、各教室、Panasonic遠隔会議システム「HDコム※」2台、大型ディスプレイ3台、タブレット1台、授業支援システム「ActiveSchool フューチャークラスルーム※」などのICT機器によって遠隔交流授業を支援しました。
※子どもたちが作成した150年シンボルキャラクターはクリアファイルのデザインとして活用し、これからも北海道150年のPRを内田洋行は行います。

構成・文・写真:株式会社内田洋行 広報部、北海道支店 佐倉麻恵

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