新時代の学力をつけるワークショップ型授業とは
3月27日、成蹊大学(東京都武蔵市)にて「新時代の学力をつけるワークショップ30」と題したイベントが開催された。タイトルどおり30ものワークショップが行われ、各教室とも満員御礼の大盛況。 新しい時代に必要なのは、暗記中心、知識偏重の勉強ではなく、自ら考え問題を解決する能力である。授業の形態も、教師が教壇に立って多数の生徒に一方的に語りかける講義型の授業から、参加者全員が体を動かし能動的に参加するワークショップ型の授業へと変わっていくのではないか。今回のイベントに参加してそんな思いを強くした。
授業作りネットワーク事務局長の藤川大祐氏
講師の上條晴夫さん。授業づくりネットワークの代表でもある 講師の左口絹英さん
講師の佐久間一生さん |
今回のイベントを主催した「授業づくりネットワーク」は、「異質なものからの学び合い」「研究方法の革新」「受信者・発信者一体」という理念のもと1986年に誕生した、授業作りの情報交換や研究を進める研究団体。『月刊授業作りネットワーク』(学事出版)を編集し、役立つ授業作りの情報を発信するほか、全国的な研究会を年に4回行っている。今回は2003年第1回目のイベント。 授業づくりネットワーク事務局長の藤川大祐氏(千葉大学教育学部助教授)が「ワークショップ型授業のすすめ」をテーマに基調講演を行い、イベントの口火を切った。 とにかく生徒たちが体を動かし授業に能動的に参加する。これらの活動の後には「振り返り」を行い、他人の意見や感想を聞くことで気づきを得る。だれかが突飛な発言をして授業がとんでもない方向に行ってもかまわない。生徒一人一人の個性があるからこそ、新しい発見がある。これがワークショップ型授業である。 基調講演の後、参加者は、30本のワークショップから、好きなテーマを3本選び実際に「ワークショップ」を体感する。各ワークショップは、1コマ90分。講師はすべて、授業づくりネットワークのメンバーである。 ■お笑いで教室をあったかくする! 新学期には、なるべく早く子ども達の心をつかみ、学級作りをしていきたいもの。特別に話術にたけていなくても、お笑いのプロでなくても、「教室をあったかく」できる技があれば…。そう思っている先生方は多いのではないだろうか。このワークショップでは、テレビのお笑い番組や落語などをヒントに、ちょっとした笑いを生み出すコツを教えてもらった。たとえば、「あるあるネタ」。「横断歩道を渡っていると、白いところだけ踏みたくなる」とだれかが言って、「そういうこと確かにある」と思ったらみんなで「あるある!」と言うものである。人が見落としがちな日常の些細な出来事からネタを見つけることが、笑いにつながる。子ども達は「ウケたい」「笑いを取りたい」という欲求が強いから、盛り上がること間違いなし。しかし、ここで大切なのが、もし受けなくて場がシラーっとした時の先生のフォロー。「そんなのないない!」とか「何言ってんの」とすかさずツッコミを入れて教室にあったかい笑いが起こるようにする。あくまでも主役は子どもで、先生は、子どもが面白いオチが言えるような前フリをしたり、もし受けなかったときにはフォローする。これが、「教室をあったかくする」コツなのである。 ■いやなことははっきりNOと言う!
このワークショップでは、体を使って何かを表現したり、目と目を合わせる(アイコンタクト)だけでコミュニケーションすることを体験した。講師は、舞台を中心に活動する現役の俳優さん。 (取材・構成:学びの場.com)
授業づくりネットワークのホームページ |
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