2016.04.08
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小学校の学級担任が新年度に取り組むと良いこと

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

新年度が始まりました。

私の勤務している学校は、本日(4/8)が入学式、始業式です。

教師も子どもも新たな気持ちになります。

皆さんにとっても、私にとっても、この一年が素晴らしいものになればと心から思います。

 

ところで、これまでこのつれづれ日誌で何度か「年度始めに取り組むべきこと」などについて書かせてもらってきました。

平成26年3月に書かせてもらった「新年度が始まる際に学級担任がすべきこと(小学校学級担任)」という記事は、これまでに13000人以上の方が読んでくれています。

関心が高い内容なので、これまで書いてきた記事などを紹介しながら、スムーズに年度始めのスタートができるようなアイデアや考え方を紹介していきたいと思います。

 

分かりやすくするために、年度始めの時期を3つに分けて整理して考えていきたいと思います。

(1)4/1から始業式・入学式まで

(2)始業式・入学式の日

(3)授業が始まってから4月末まで

 

 

「(1)4/1から始業式・入学式まで」

この時期のポイントは「子どもとの出会いをしっかりとプロデュースする」ということです。

年度始めのこの時期はどうしてもしなければならない事務仕事が多くなります。

名簿作り、物品の注文、配布物作りなど、多くの仕事があります。

学級担任としての仕事もありますし、学年としての仕事、教師個人としての仕事など、色々な取り組むべき仕事があります。

膨大な量の仕事があるので、精神的にそういった仕事に追われ、じっくりと子どもとの出会いに向けての準備ができなくなることがあります。

私はこの数年、そういったことでばたばたしないで済むように、やるべきことのリストアップをしています。

そういったものを作るようにしたきっかけは、私が担当した教育実習生の人から質問を受けたからです。

「4月から採用され、小学校に行くにあたって、具体的に何をしたら良いのですか?」と3月の終わり頃にその人から質問を受けました。

その後、新年度の取り組むべきことをまとめてみました。

時系列で、すべきことをリストアップしています。

こうすることで、すべきことの目処が立つようになります。

優先順位を考えながら、取り組むべきことをすることができるようになります。

この時期は、会議なども多く、職員室にいると忙しくしている周りの職員の姿が視界に入ってきます。

そういった時は、新年度に自分が使う教室で片付けなどをしながら、静かな中でじっくりと子どもとの出会いについて考えを巡らせることをお勧めします。

事務仕事のミスは後からやり直しができます。

しかし、子どもとの出会いは一回限りで、やり直すことができません。

この子どもとの出会いに向けての準備がその後の教育活動の質へ大きく影響を与えることになります。

是非とも、十分時間をかけて、子どもとの出会いをプロデュースしてください。

 

新年度が始まる際に学級担任がすべきこと(小学校学級担任)

  時系列で学級担任がすべきことをまとめています

年度始めにすること(学年)

  時系列で学年として取り組むべきことをまとめています

 

 

「(2)始業式・入学式の日」

この日のポイントは「子どもに良かったと思わせること」です。

初日の子どもとの出会いは、その一年間を左右する程、大事なものです。

「今年の先生はどんな人だろう?」とどの子どもも4月の初日はわくわくしながら登校します。

そういった子どもの期待に応えるために、しっかりと準備をしておく必要があります。

「今年の先生は楽しそうだ。」「楽しみだな。」「明日は何するのだろう?」

子どもが次の日を期待するような状況になれば成功です。

良好な人間関係だからこそ、教師は子どもに様々なことを伝えることができます。

初日は、そんな良好な人間関係構築のためのきっかけを作る日です。

私はこの数年、毎回手品をしています。

詳しくは下の文章に書いてあるので読んでみてください。

 

初めての宿題は手品

  子どもにワクワクとした気持ちを体験させたい

子ども達に伝えたい「?!」の意味

  ?:えっ何だろう  →:考える  !:そうか 

 

 

「(3)授業が始まってから4月末まで」

この時期の最大のポイントは「崩さないこと」です。

4月の初日にクラスに子ども達は皆がきちんとしています。

3月まで荒れていた学年でも、4月の初日はきちんと椅子に座っていることが多いです。

「もしかしたら新しい先生がとんでもなく怖い先生かもしれない・・」という心理が子どもの中に働くのかもしれません。

また、やはり初対面の人には自分はきちんとしていると見て欲しいのかもしれません。

 

そういった初日のきちとした状態を維持し、さらにより良いものへとしていくか、逆に少しずつ、だらだら、ぐちゃぐちゃとしたものへとしていくかは、教師の力量にかかっています。

目安は半月です。

それ位経つと、それぞれのクラスの状態が見て分かるようになってきます。

うまくいかないようになるには、そこに至る原因があります。

多くの先人が苦労をし、その実践を残してくれています。

是非とも様々な実践などを調べ、クラスを「崩さない」で維持してもらいたいです。

 

若い先生のクラスがうまくいかなくなってしまう訳

  エネルギーのかけ方を間違える、ルールが崩れていくことでクラスが混乱していく

若い先生が教室で気にすべきこと

  周りに相談する、感情をコントロールする

新しいクラスを始める時に考えていること」              

  学ぶ意義について伝える

褒めて育てること

  子どもを褒めることができる状況を意図的に作り上げる

4月に学級担任が意識するとよいこと

  距離感を保つ、ペース配分を考える、限界を知る

新年度が始まる際に学級担任が意識すると良い事

  子どもをじっくりと見つめ、実態を知る

新しいものとの出会いが子どもを育てる ~新年度の学級経営~

  新しい友達や先生との出会いからの学び

 

 

この数年、団塊の世代の退職の時期になり、教員の入れ替わりが激しくなっています。

急激な入れ替わりの中で、これまで教育界が培ってきた技術をきちんと次の世代に継承することが大きな課題となっています。

このつれづれ日誌のような電子メディアは、今の若者たちの志向に合っています。

若い先生達が、こういったものに接することなどから教師としての資質を高めていってくれたらと思います。

 

微力ですが、そのお手伝いが出来たらと思っています。

これからもよろしくお願いします。

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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