2015.10.10
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北陸新幹線を1000倍楽しむ方法

石川県金沢市立三谷小学校 教諭 泊 和寿

 

  画像「のと里山号」

 

平成27年3月14日に北陸新幹線が開業した。

金沢に住む私も、東京へ行く機会があるので何度も利用したが、最新の技術を感じ取ることのできる素晴らしい高速鉄道である。

5月くらいまでは、新車の匂いがして、心躍りながら乗車していた。

早いもので開業から半年経った。

10回以上乗ったが、未だに

「また乗りたい!」

という気持ちになってしまう。

その理由について考えてみた。

 

1.  北陸新幹線にまた乗りたいと思う理由

(1)    速さ

かがやき号は、金沢から東京間が2時間28分である。

乗り継ぎなしに、朝東京へ出かけ、夜に金沢へ帰ってこられる。

運賃は夜行バスよりは高いが、運賃に変えられないものがここにある。

(2)    乗り心地の良さ

1.    動揺防止制御装置・パンタグラフ

驚くのは、新幹線が滑るように走ることだ。

この装置のおかげで、不快な揺れや振動、騒音がほとんどない。

グランクラスでなくても、全く不快さがない。

本も読めるし、スマホを利用していても、私は酔うことはなかった。

新パンタグラフなど様々な技術の革新が振動や騒音の低減を実現した。

2.    椅子

デザインも良いし、とにかく座り心地が良い。

枕の位置も変えられる。

1つの椅子に1つ、コンセントがあり、PCなどの充電を気にする必要がなくなった。

3.    その他

LEDライトやコート掛け、リクライニングシステムなど、随所に嬉しい心遣いがある。

(3)    添乗員さんの対応

「切符を拝見します。」の声かけがない。

ゆっくりと寝たり、くつろいだりすることができる。

これは他の鉄道でもあるかもしれないが、有難い心遣いのシステムだ。

車掌さんもワゴンサービスの方も運転士さんも、皆気持ちよく笑顔で接してくれる。

「さすが、世界の北陸新幹線!」

と嬉しくなってしまう。

 

北陸新幹線の良さを感じたり、

「なぜ揺れないの?」と調べてみたり、

何度も乗って新たな発見をしたり、

乗った体験を語り合うことで、

北陸新幹線を10倍楽しむことができる。

 

2.  「のと里山里海号」 と「花嫁のれん号」

北陸新幹線は、グランクラス「人と空間の和」、グリーン車「様式美の和」、普通車「彩の和」と、和の粋を感じさせる装いが特徴である。

鉄道で日本の心を感じるなんて、なんて素敵なことだろう!

だが、今年8月、北陸新幹線だけに乗って喜んでいた私を衝撃が襲った。

それは、「のと里山里海号」に乗ったことであった。

人間、40歳を過ぎると、子供の様に毎日が新しい発見でワクワク胸躍るなんてことは、ほとんどなくなってくる。

日々を淡々と働き、ふと気がつくと一年が過ぎていたなんてことが多いのではないだろうかと思う。

しかし!

「のと里山里海号」に乗った私の胸は躍った。

子供のように、

「凄い!」
「乗って良かった!」

を連発していた。

明らかに興奮している自分と、その自分に幸せを感じている自分がいた。

(私は鉄道マニアではない)

一言で言えば、「能登の伝統工芸品の宝庫」である。

「里山号」と「里海号」の二両が連結されている列車の内部は・・・(感泣)

しかも、古い郵便車を見学して、そこから手紙を出せるのである。

感動である!
日本人で良かった!
石川県人で良かった!
皆さんと共に乗れて良かった!

と思った。

添乗員さんの説明からは、

「能登はやさしや土までも」
「もてなしの心」

を感じた。

 

ただし、「のと里山里海号」は、七尾~穴水間の運行である。

「ああ、北陸新幹線から乗り継ぎできないのか!」

と、嘆くのは早い。

 

なんと!

金沢から七尾間には、「花嫁のれん号」が走っているのである!

これも、金箔を始めとする伝統工芸品の宝庫の観光列車である。

ということは・・・

 

東京から金沢は「北陸新幹線」
金沢から七尾は「花嫁のれん号」
七尾から穴水は「のと里山里海号」
 と、次々に感動の列車を乗り継ぐことができるのだ!

(スムーズな乗り継ぎが一日でできるかは分からない)

 

「北陸新幹線」を10倍楽しんだなら
「花嫁のれん号」に乗って、また10倍楽しみ
「のと里山里海号」に乗って、さらに10倍楽しむ
 
10×10×10=1000倍

 

北陸新幹線を1000倍楽しむ方法とは、この3車両を乗り継ぐこと

 

近いうちに、家族も連れて行きたいと思う。

泊 和寿(とまり かずひさ)

石川県金沢市立三谷小学校 教諭
私は、子どもたちが目を輝かせて生き生きと学ぶ姿が大好きです。子どもが本気になって学ぶと、グワッと教師を越えていきます。今年も、そんな感動をめざしたいと思います。

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