頭蓋骨の模型を使った授業をしました。
理科室に置いてある人体骨格模型の頭の部分だけを外したものです。
慣れていない人にとっては少しビックリとしてしまうようなものなのですが、この頭蓋骨がとても良い教材になります。
子どもの記憶に強く残り、行動の変容が期待できる授業です。
もしかしたら一生忘れないような授業です。
今の時期は、年度の始めなので、学級や学年のルールの確認をしています。
提出物の出し方や当番のやり方など様々な事がルールとしてあります。
今回は、この模型の頭蓋骨を使って「暴力はいけない」ということを伝えることをねらいとしました。
しっかりと見たことがある人は多くないと思うのですが、頭蓋骨は意外と薄い骨でできています。
場所によっては、厚さが2ミリくらいでしょうか。
もし頭を叩いたりしたら、頭蓋骨が割れそうだと子どもでも感じられる程のものです。
初めてしっかりと見るまでは理科を専門で勉強してきたつもりの私ももう少し頭蓋骨は厚い物だと想像していました。
中にある大切な脳を守るための道具としては少し頼りない感じを受ける程です。
調べたところ、頭蓋骨を強固な物にしてしまうと、重量が増加します。
そうなると頭の安定感を阻害してしまうことになり、様々なバランスの中で現在の形に進化してきたようです。
頭蓋骨の薄さを知ってしまうと、怖くて人の頭を叩くことなどは冗談でもできなくなります。
「暴力はダメだ。」と大声で叱るよりも、効果が高いです。
子どもの行動を変容させていくにはいくつかの方法があります。
繰り返し取り組む事で習慣化させることなどもそうですし、何らかの強い刺激を与えるなどの方法もあります。
強い刺激を与えるものの例としては、運転免許の更新の際に見せられる交通事故のビデオなどがそれに該当します。
今回の授業はそういったものと少し違い、子どもが仕組みを理解し、納得し、行動を変容させていくというものです。
頭でも、心(心も頭の一部なのですが)でも理解していくことがポイントになると思います。
よく考えるとこういったものは他にも見つかります。
例えば、「良い姿勢をする」ことです。
成長期である子どもは、脚を組んだり、肘をついたりなどの悪い姿勢を続けていると骨が変形してしまう可能性があります。
背骨が曲がってしまった「脊柱側彎症」という病気があります。
そのレントゲン写真や治療の様子の写真などを見せると子どもの姿勢はすぐに良くなります。
勿論、椅子の座り方などは癖になっていることもあるので、定期的な声掛けが必要です。
この様に子どもが理解し、納得し、行動が変容していくような関わりをしていきたいと思っています。
そういったことを子ども達にたくさん伝えられるような教師になりたいと思います。
まだまだ勉強不足なので、たくさん本を読み、色々なものに関心を持っていきたいと思っています。
もう少しで連休です。
頑張りましょう。
特に若い先生達、頑張ってください。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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