卒業が目の前に迫ってきました。
先日も「6年生を送る会」でたくさんの感謝と祝福をいただき、涙を流した子どもたちです。
「卒業」ということの実感を強く感じてきたことでしょう。
今の学級の子たちとは、5年生・6年生と、2年間の付き合いです。
島にある本校に来てからの2年間、この子たちとどっぷりの2年間でした。
それもあって、もう卒業かと思うと、何か感慨深いものがあります。
この2年間、子どもと一緒にずっと大切にし、意識してきた言葉は「TEAM」です。
よりよい「TEAM」になるために大切にしてきたことがたくさんありました。
それを整理してみると、
(1)「目標」
(2)「コミュニケーション」
(3)「主体性」
(4)「共有」
(5)「表現・解放」
(6)「リーダー」
(7)「感謝」
という7つのキーワードが浮かんできました。
以下に、簡単にそれぞれの項目で大切にしたことを記していきます。
(1)目標
「共通の目的・達成すべき目標」「みんなで目指すべきひとつのゴール」をもたなければいけないと思っています。
目指すべき所が決まったら、子どもたちは動き始めます。
それが、「学級目標」なのだと思います。
群れをチームに変えていくには、よりよい学級目標が必要となってきます。
本学級目標は「極めよう 全力!絆!感謝の心!」
ずっと「学級目標」を大切にしてきました。
(2) コミュニケーション
よりよいチームになるためには、良質のコミュニケーションが必要だと言われています。学校におけるコミュニケーションは、意図的にその場をつくらなければ成り立ちません。よりよいコミュニケーションが成り立てば、自然とよりよい空気が生まれ、よりよい関係が生じます。
子ども同士の横糸をしっかりとつないで、太く強くしていくことが大切だと思っています。
(3)主体性
「主体性」とは、自分自身の頭と心で考え判断し、自分の足で行動できるかどうかということだと考えています。
つまり、主体的に動いている人は、より考えて行動しています。
例えば、学級活動で「学級のみんなを楽しませよう!」という目的がある子は、その目的のために様々なことを考え、実行できる子です。
明確な目的をもち、状況を判断して、自らの責任で最も効果的な行動をとることができる、こんな子どもたちの集まる集団づくりを目指しました。
(4)共有
私たち「だけの」ものという意識が、我がチームに対する愛情というものを深めます。学級シンボルをつくり、みんなで共有できたことは大きかったです。
修学旅行でも活用できましたが、作成するまでの過程が大切だと思います。
「どんな想いでシンボルマークをつくるのか。」
「なぜシンボルマークをつくるのか。」
そのようなことを全員で考え、意味あるものにしていくこと。
そういった話し合いをしていくことが大切でした。
また、「感動」を全員で共有できることが重要であり、そのような感動体験ができるように意図的に用意することも必要だと感じます。
(5)表現・解放
全員が自分を解放し、表現できることが望ましいです。
「アホになるときはとことんアホになれ!」
常に言ってきた言葉でした。
もちろん私もアホになるときはとことんアホになって…。
しかし、そこには表現できる「安心感」、解放できる「安心感」があることが必須だと思います。
クラスのあたたかい風土を育むことが大切だと思っています。
それが土台となります。
(6)リーダー
場面リーダーの考えを大切に、全員に小さなリーダー体験をさせ、それを繰り返すことが大切だと思います。
小さなリーダー体験をすることによって、フォロアーが育ちます。
リーダーの時に大変なことを経験したのなら、逆にリーダーを助けよう、と思えるようになります。
リーダーも大切。でも、もしかすると、もっと大切なのは、このフォロアーの存在なのかもしれません。
そして、フォロアーが育つと、学級の雰囲気が変わります。
授業が変わります。
常に「励まそう。」「温かく見守ろう」という空気がでてきます。
(7)感謝
そして最後に、「感謝の心」です。
これがすべての根底です。
この気持ちが無ければはじまりません。
ただの仲良し集団と違う所は、この気持ちがもてているかどうかだと思います。
この感謝の心がなければ何も成り立たないと思っていますし、この心を全教育活動を通して育てていかなければいけないと思っています。
感謝の心を持てる子は、力強く温かく友だちの手をひいていくことができる子です。
明日への希望が語れる子です。
そんな力強く逞しい学級集団をつくりあげていきたいです。
(1)~(7)の項目は、それぞれが独立したものではなく、それぞれが絡み合ったり相互作用を繰り返したりすることでその効果を発揮するものと考えています。
23日(月)は卒業式。
一人一人の成長と、「TEAM」である学級の姿をしっかりと見届けたいと思います。
1年間、拙文をお読みいただき、本当にありがとうございました!
宗実 直樹(むねざね なおき)
兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
特別活動を学級づくりの中心に、「字をかき、汗をかき、恥をかき、頭をかき」ながら、子どもたちと共に伸びていく姿勢を大切にしています。日々是好日。地道に一歩ずつ精進していきたいです。
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