◉タイムカプセル
先日、私がはじめて卒業生として送り出した子たちの成人式がありました。
あの頃のあどけなさを残しつつも、本当に立派になっていました。
幸せな気分でした。
その時、8年間保管していたタイムカプセルを開けました。
実に色々なものが出てきました。
鮮明に覚えているもの、記憶にのこっていないものなど、本当に色々なものが…。
当時の「熱」が伝わってきました。
◉「はまった」学級会
その中に学級会ノートがありました。
おそるおそる中をのぞいてみると…。
その時の様子がまざまざと思い出されました。
思えば新任3年目、はじめて学級活動の研究授業をしました。
「ライブハウスで盛り上がろう」という議題だったと思います。
いけいけどんどんのやる気先行型の話し合い活動でした。
もともと大好きだった学級活動。研究授業をすることをきっかけに、さらにその深さにのめり込んでいくことになりました。
学級会ノートを見返してみても、様々な議題で実践してきました。
例えば、
・グループ対抗にらめっこ大会
・巨大壁画を描こう
・クラスキャラ巨大ドミノをつくろう
・グループ対抗歌合戦
・オリジナル手作りトランプ大会をしよう
・オリジナルクイズ大会をしよう
・光の美術館をつくろう
・10歳の主張大会をしよう
・チーム対抗!とっても工夫したバレーボール大会をしよう!
・6年1組スペシャル鬼ごっこをしよう!
・チーム対抗いろいろティーバッティング大会をしよう!
・チーム対抗音楽クイズ大会
・チーム対抗ミニミニ運動会
・チーム対抗ティーバッティング大会
・みんなで腕相撲大会
・坊勢っ子のしゃべり場
・オリジナルポートボールで仲良くなろう
・TEAMファッションショー などなど。
ひとつひとつ鮮明に覚えています。
◉教師の想いは必要
学級活動の実践をはじめたころ、話し合い活動では、形ばかりを重視していたような気がします。
「きれいに」話し合いが進むか…、ということです。
きれいじゃなくても、泥臭くても、もっと大切なことがあります。
話し合いをすることで
「相手のことを想像し、理解し合える人間関係」
を成立させることです。
形だけの学級活動ではそのような人間関係を育むことはできません。
教師は、
「学級をこのように変えたい!」
「子どもをこのように育てたい!」
という熱い想いが必要です。
子どもがやりたいようにやる、形だけこなすだけの学級活動ではだめなのです。
もちろん、子どもの「願い」は大切です。子どもの願いが前面にあらわれ、裏では教師の想いがしっかりと張り巡らされていることが大切です。
◉教師の「助言」とは
そうならないためにも、特に気をつけていったのが教師の「助言」の仕方です。
何も助言は、話し合い活動の中だけでするものではありません。
当然、実践活動中、事前・事後の活動中、そして日頃の何気ない生活の中で助言をしていくことが考えられます。
「助言」といえば、援助する助言、指摘する助言が多いと思いますが、それだけではありません。
例えば、給食中での何気のない会話の中、
「最近外での活動が多いよな。何か文化祭とか音楽祭とかそんな感じの学活して楽しめてもええのにね。」
と、議題を生み出すよう、きっかけを与える言葉もひとつの助言。
ある子を呼んで、
「最近男女の仲が気にならない?これを解決するための活動できないかなぁ。君なら考えれるんだと思うんやけどなぁ。」
と、種をまくのもひとつの助言。
「おお、それめっちゃええやん!」
「さすが○○さんやなぁ!」
と、子どもをどんどんのせて励ますのもひとつの助言。
そう考えています。
簡単にできる助言を常日頃から考えていることが大切だと思います。
教師は学級の現状を的確に把握し、望む学級像に近づくべき、ありとあらゆる助言を駆使していく必要があります。
そして、教師がある程度レールを敷きますが、最後は「自分たちの力で成し遂げた!」と子どもたちに感じさせることが大切です。
そのさじ加減が難しいのですが…。
教師の適切な指導のもと、「笑顔」と「感動」にあふれた学級活動にしていきたいものです。

宗実 直樹(むねざね なおき)
兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
特別活動を学級づくりの中心に、「字をかき、汗をかき、恥をかき、頭をかき」ながら、子どもたちと共に伸びていく姿勢を大切にしています。日々是好日。地道に一歩ずつ精進していきたいです。
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