教員の残業時間が多いという話題はなにかと取り上げられていますが、今回は早朝に「早出残業」をしている教員の実態をつれづれお話ししていきたいと思います。
学校によって、多少の違いはあれども、8時15分くらいが教員の正規の出勤時間であることが多いのではないでしょうか。
でも、勤務時間前に、学校で既に動いている教員はたくさんいます。
教室の窓を開けたり、
玄関で子どもを出迎えたり、
情報交換の打ち合わせをしたり、
欠席の電話連絡の対応をしたり、
子供が通学路の小川に落ちたといえば対応したり、
通学路に不審者がいるといえば、様子を見に行ったり、
夏はプールに塩素を投入したり、
冬は学校の周りの雪かきをしたり、
中学校では部活の朝練をやっていることもあります。
どれも欠かすことのできない仕事。
でも、正規の勤務時間にできている仕事ではない。
だから「早出残業」を一部の教員がして、学校を回している。
学校によっては、たとえば、子供たちの登校時刻は8時5分、教員の出勤時刻は8時15分という事態にもなっています。
朝の学校は、すごくグレーな時間。
全ての教員が出勤しているわけではない時間。
一部の教員の熱意で動いている時間。
さて、どうやったら解決できるのだろう?
保育園や、認定こども園では、職員がローテーションによる勤務をしているようです。早番とか遅番とか。
小学校も、皆が一律同じ時間の勤務でなく、早番、遅番のローテーションで、一日のトータルを正規の勤務時間としてカバーできるような仕組みがあるといいのかな。
人件費がかかりすぎる、って即座に却下されそうだけど。
あっ、でも、当の教員側からも文句が出そう。
人に関するシステムを変えることって、なかなか一筋縄ではいかなくて難しいから。
増田 謙太郎(ますだ けんたろう)
東京学芸大学教職大学院 准教授
インクルーシブ教育、特別支援教育のことや、学校の文化のこと、教師として大事にしたいことなどを、つれづれお話しできたらと思います。
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