2014.08.29
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朝の教室ってどんな教室?

広島県公立小学校 教諭 中村 祐哉

朝の教室ってどんな教室?

 

 先生方は,朝学校に出勤されてから始業までの時間,どのようなことをして過ごされていますか?

学校のシステムによってもさまざまな過ごされ方があると思いますし,きっと素敵な取り組みや工夫ある時間をつくられておられる先生方も多くおられると思います。

 

 これは私の日々の一実践でしかありませんが,私は朝,出勤印を押したら,まずは教室に向かいます。

夏は窓を開け,冬は,寒い日ならストーブを点けます。電気をつけて,黒板には,子どもたちに向けて,毎日メッセージを書きます。

 そして,一番初めに登校してくる児童を教室で必ず笑顔で迎えるようにしています。

「なんだそんなことなんだ…」と思われるかもしれませんが,毎日毎日欠かさずこれを続けることが子どもたちが穏やかな朝を迎えるにあたってとても重要なことだと感じています。

朝,登校しても,電気もついていない薄暗い教室で「おはようございます!」と元気にあいさつしてもなにも返事がかえってこない…こんな思いをクラスの誰ひとりとしてさせたくないのです。

朝一番初めに登校してくる子はだいたいどの学級でも決まっていると思います。

その子が毎日,誰もいない雰囲気の教室で何となく一日をスタートするということは,担任としてとてもさみしく思うのです。だから,朝は可能な限り教室に居たいものです。

 

 また朝は何かと忙しく,子どもたちにもトラブルが起きやすい時間帯だと思います。

たくさんの校務を抱えられてお忙しい先生も多くおられると思いますが,まずは週1回でも,教室で子どもを迎えてみられてはいかがでしょうか?

 

 これらを日々実践するためには,朝やらなければならないことをできるかぎり前日までに見通しをもって準備しておくことなども重要ですので,だんだんと習慣化していけるとよいかと思います。

 その中で,黒板のメッセージだけは朝書かれることをおすすめします。誰でもそうだと思うのですが,『朝の心のもち方』と勤務を終えての『夕方の心のもちかた』は異なるものですね。

子どもたちと同じ朝に黒板のメッセージを書くことで,子どもとつながるメッセージになっていくと思います。

私の場合は前日の夕方書いてしまうと,ついつい熱くなってしまい,朝から大量のメッセージを子どもたちに読ませることになってしまうので,朝書くことを心がけている次第です(笑)。

 

 そして,最後に付け加えて…これは教室の教育機器環境にもよると思いますが,私は.前日に取り組んだ学習の様子や板書の写真,休み時間の様子をスライドショーにして電子黒板や大型テレビに映し流すというものをやっています。

これを子どもたちは毎朝とても楽しみにしながら登校しています。

電子黒板にSDカードなどを挿せるタイプのものなら前日に簡単に準備ができます。

子どもたちの会話も自然と前日の学習のふりかえりになっていたり,学習したことのクイズが会話の中に織り込まれていたりと効果絶大です。

私は,このような取り組みを毎朝,自教室でおこなっています。

 

 

夕方の教室ってどんな教室?

 

 さて,朝の教室に続いて夕方の教室はどんな教室でしょうか?子どもたちの熱気があふれているお昼の教室から,誰もいなくなった夕日の差し込む教室はガランとして少しさみしい感じがあります。

そんな夕方の教室でするべきことにはどんなことがあるでしょうか?私は,毎日夕方の教室で以下の5つのことをしています。

 

(1) 教室の清掃

 教室掃除は掃除時間に子どもたちと徹底しておこないますが,それでも午後からの2時間で気になる汚れや小さな紙くず・消しゴムの消しかすなどが出ている場合があります。

翌日の朝の教室環境にもつながる大切なことですので,時間がかかっても自分が納得するまで清掃します。

 

(2) 児童机の整とん

 この児童机の整とんも子どもたちが帰る前に整とんして帰宅しますが,もう一度教師の手で整とんします。

朝,教室に入って机や椅子がガタガタでは,子どもたちの気持ちもガタガタになってしまいます。

机は子どもたちが一日の大半を過ごす場所ととらえ,その環境には細心の注意と徹底した整とんを心がけたいものですね。

 

(3) 教師机の机上の整とん

 教師は子どもたちの手本となるのは至極当然のことです。

私は職員室も教室も机や棚の中まで,なにがどこにどのように入れてあるのか説明できるくらい整理整とんを徹底しています。

 

(4) 掲示物・画鋲のチェック

 教室の掲示物に関してはいろいろな考え方があると思いますが,私のクラスでは,掲示は係活動等にはせず,私自身の手でおこない管理しています。

それは,高いところへの掲示が難しかったり危険だったり,壁板が硬すぎて高学年でも抜き差しできないこともあり美しい掲示環境を維持できないからです。

毎日のチェックで,期日が切れた催し物掲示がないか,子どもたちの作品の画鋲が落ちていないか等を把握し,教室環境をより整ったものにしていくことができます。

また,季節を感じられる掲示を必ず組込んでいきます。いつまでも同じものが掲示されているものは『学級目標』と『カレンダー』で十分だと思います。

 

(5) チョークの点検とデジタル機器の電源チェック

 私たちの世代は,教員になった時から通知表もすべて電子化されていました。また徐々に大型液晶テレビが学級に入りはじめている頃に教壇に立ちはじめました。

私自身も電子黒板・実物投影機・デジタル教科書・フラッシュ教材などデジタル機器や教材ソフトを効果的な場面を精選してフル活用しています。

だからこそ一本のチョークを使っての授業の大切さを身にしみて感じています。

『短いチョークをつかっていると児童の集中力も短くなる』ということを頭に入れて,子どもたちが鉛筆を削ってくるように,授業で使うものはきちんと整えておきたいものです。

また話が前後しますが,デジタル機器も一日の終わりにはしっかり電源を落として,休ませてあげ,備品も長持ちさせていきたいものですね。 

 

 

良い考えは良い環境から

 ここまで教室環境を中心に,その時間帯に応じた私の教室の様子をご紹介させていただきました。

まとめていくとキーワードは『良い考えは良い環境から』ということです。

 今まで他の学年で学級崩壊してしまったクラスの様子を幾度か目にしたことがあります。

それらの学級に必ずといっていいほど共通していることは『教室が学ぶ環境になっていない』ということです。

机や椅子の整頓はガタガタで床にゴミが落ちていて,それを担任も子どもたちも気にしていない…。

 

教室環境の整備は,初任の先生からベテランの先生まで心がけひとつで誰でも同じようにできることです。

気持ちの良い教室からは, 授業でも素敵な発想や良い考えが生まれます。

整っていて落ち着いた教室で過ごす子どもたちの心は,整って落ち着いたものになります。

 

『教室はきれいで当たり前』という中のきれいという質自体を底上げしていきながら『当たり前のことをていねいにできる子どもたち』と素敵な教室環境で学びを深めていきたいものですね。 

中村 祐哉(なかむら ゆうや)

広島県公立小学校 教諭


「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。

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