2014.07.17
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子どもが意欲的取り組める学習

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

子どもが意欲的に学習に取り組めないかと考えています。

 

今年度は3年生の担任をしています。

コンパスの使い方を習うのですが、手先が器用でない子どもも多く、うまく扱えない子どもが何人もいます。

そこで、遊びながらコンパスの使い方のレベルアップが図れる方法を考えました。

 

それは、「円かきコンテスト」です。

 

名称は、子どもにつけてもらったものです。

内容は、コンパスを使い、円を中心として絵を描き、それを互いに投票するというものです。

  

カラーの部、白黒の部の2部門で行いました。

子どもの人気投票にならないように誰がどの作品を描いたのかはできるだけ分からないようにします。

具体的には、描いている時から互いにあまり見せないようにすることと共に、絵には名前を書かず、紙の裏に出席番号を書かせるだけにします。

表には投票の時に使う番号を書きます。

投票は、1票でなく、2~3票投票させるとよいです。

1票だと、自分に入れてしまう子どももいて、あまりしっかりとした結果にならないことが多いです。

 

今回の「円かきコンテスト」のように学習に遊びの要素を組み入れたものは良い活動だと思います。

第二回円かきコンテストを開催するということを子ども達に伝えた所、多くの子どもが自主勉強(宿題)で円を描く勉強をしてきました。

日々続けていると、どんどん上達していきます。

とても面白いのだと思います。

「好きこそものの上手なれ」なのだと思います。

  

次に紹介したいのが、「コマつくり」です。

画用紙にコンパスで円を描き、ハサミで切り取り、中心に爪楊枝を刺すというものです。

なぜ、このコマつくりが良いかと言うと、円をきちんと描くことができているかどうかを簡単に判断することができるからです。

円をきちんと描くことができていないと、コマを回した際に、ぶれてしまい、すぐに止まってしまいます。

円をきちんと描き、中央に軸を刺すことができているものは、きれいに回り続けます。

子どもが、自分の作品の出来を容易に評価することができるので、取り組みが意欲的になります。

さらに良いものを作りたいという思いが芽生え、コンパスの扱いが上達していきます。

 

この様に子どもが自分の状態を容易に評価し、次への活動につなげていくことができる活動は、質の高いものです。

これは、今回の「コマつくり」だけでなく、他にも応用できるものだと思います。

 

子どもが「楽しい」「上達した」「賢くなった」と思える回数が多い程、自己肯定感や満足感も高まるのだと思います。

 

夏休みに向けて、子どもが楽しみながら、学びを深めていくことのできるものを紹介することができたらよいと思います。

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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