2014.07.08
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学級文化を支えるもの

兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭 宗実 直樹

   

 「学級文化」とは、

『子どもたちが生き生きと自主的に活動し、ひとつにまとまりながら、学級に価値ある行動をしていくこと』

と認識しています。

 

 学級に安心感があり、お互いが認められる空間であれば、子どもたちはどんどん自分たちで無意識的にも学級文化を創り上げていきます。

 例えば、休み時間に音楽に合わせてダンスを踊ったり、机の周りで合同絵画をしていたり、リコーダーのアンサンブルをはじめたり…。

子どもたちは自然と生き生きと自分を表現するようになります。

 

◉学級文化が生まれるきっかけ

 まずひとつは、教師自身が刺激を与えることが多いと思います。

つまり、教師の趣味・特技が子どもたちに大いに影響を与えて発展することが多いでしょう。

例えば、ギターが得意な教師はギターを弾きながら歌を歌うことで、子どもたちも「自分たちもやってみたいな。」と思い出したりします。

 そしてもうひとつは、子どもたちの興味関心を生かすことだと思います。

子どもたちのおもしろそうな活動を認め、価値づけることで、学級文化に発展することもあります。

また、折に触れて全員の前で紹介することで全員への刺激にもなるでしょう。

「○○さんたちのこの絵の合作を見て!すごいよな~。一人じゃなく、みんなでやったらいろいろアイデアが出て、こんなおもしろいものができるんやね!こういうのが広まるとクラスも楽しくなるなぁ。」

と紹介し、そしてみんなで認め合えるようにしたいものです。

 

◉学級活動で

 学級活動での実践活動の積み重ねが学級文化につながります。

「今、この時、この場所で、この仲間でしかできないこと」

を意識させて活動に取り組ませるといいでしょう。

子どもたちだけで「話合いができる」ということ自体、立派な学級文化なのかも知れません。

 

◉学級文化を支えるもの

 このような、『学級文化』を育むには、だれもが認められるような支持的風土を普段から築いていくことが不可欠です。

 では、支持的風土を築くために、普段どんなことに取り組めばいいのかを考えました。

まず思い浮かぶことは、

「子ども同士がつながること」

です。

「つながる」とは、よさを発見し、良い悪いもひっくるめてその子を理解することです。

 お互いの理解を深めるための取り組みは山のようにたくさんあります。

 

 今回は、「書く」ことを通じてつながることについて述べていきます。

仲間とつながるための「書く」は、様々な場面でできます。

例えば、

・お互いの教科ノートに一言コメントを書く。
・連絡帳にお互いの今日の良かったことを書く。
・誕生日カードにその子のよさを書く。
・お休みカードに心温まるメッセージを書く。
・付箋に「いいな。」と思うことを書いて贈る。
・特活ノートにありがとうのメッセージを書く。
・手紙形式で普段言いにくい本音を書く。
・「いいことノート」に友だちの行動のよさを書く。
・写真(A4印刷)にがんばりや価値ある言葉を書く。
・黒板に励ましのメッセージを書く。

 「書く」ことのよさは、話し言葉と違って、ずっと目に見えて残っていくことです。

嬉しい言葉や励ましの言葉は何度見返しても元気がでます。

言葉をくれた友だちにも感謝します。

黒板などに書かれた消えてしまう言葉は、教師がカメラで撮っておくのです!

 

 相手のよさを見つけたり、自分のよさを見つけてもらったり、それらを書くことで共有できる仲間達。

書くことで気持ちを見える化し、相手を思ったり、相手を認めたり、励まし合ったり、そうやって関係を築き、自分たちの手で自分たちの学級文化を創っていってほしいものです。

 

 

 学級文化のある教室こそ、子どもが大好きな教室です!

宗実 直樹(むねざね なおき)

兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
特別活動を学級づくりの中心に、「字をかき、汗をかき、恥をかき、頭をかき」ながら、子どもたちと共に伸びていく姿勢を大切にしています。日々是好日。地道に一歩ずつ精進していきたいです。

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