2014.07.03
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夏休みの課題はどうしよう

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭 岩本 昌明

皆さんの学校では期末考査も無事になんとか終わった頃でしょうか。
でも成績処理や評価業務等学期末業務のため,
終業式まで精神的に追いつめられる日々がまだまだ続くようです。
でも楽しい(?)夏休みも間近です。もう一踏ん張りしましょうか。


さて、夏休みと言えば、私はドリルやワークが,小中学校の時に
お決まりのように渡された想い出があります。
これに加えて夏休みの日記帳(日誌)もありましたか。
宿題はなるべく早めに終え、残りの日数をできるだけのんびりと
自分の時間に使おうとしていました。
でも、夏休みの日記帳(日誌)は、夏休みの最終日に
慌ててまとめて40日分をなんとか記載していた
苦い恥ずかしい想い出が蘇ってきます。


今年の夏休みの宿題や課題を皆さんどのように準備しておられますか。
この『教育つれづれ日誌』、鈴木邦明さんが2014年1月8日付けで
「学力上位層の子どもの可能性を伸ばすためにできること」と
学力上位層に限定してですが、NHK 高校講座、放送大学、Ted、edXを
紹介しておられましたね。


私は、自分の目の前にいる生徒ができるだけ主体的・自主的に
取り組めて楽しそうな課題はないものかと現在探しています。
学習空白がある生徒には、NHKの「プレキソ英語」を
視聴してもらおうかと考えております。
10分間の番組なので負担も少なく集中力して学べると思うからです。

NHK for Schoolで検索すると、他にも視聴で利用できる番組が
色々あることがわかります。
6000本以上の映像が常時ネット配信されており、
番組の動画だけに限らず、30秒~2分ほどの短い動画クリップも
あるようです。驚くことに動画再生回数は、
4月は122万回、5月は135万回もあったそうです。
中でも「歴史にドキリ」は4・5月で16万回も再生されたそうです。
サイトをご覧になっていたければ、動画番組に加えて
先生向けのコーナーがあり、資料やワークシートなども充実しており、
NHK for Schoolの名前の通りに、先生方の活用にも
十分配慮がされているのが分かります。
更にお薦めと思うのは、パソコンで視聴できるのでなく、
スマホやタブレットでも視聴が可能であることです。
生徒がスマホでいつでもどこでも視聴することができるのです。
(参考:NHK for Schoolポータルページ 
http://www.nhk.or.jp/school/)


また、映画英語アカデミー学会(最新映画DVDを英語教材として
研究する小中高大の教師や学習者、これを支援する産学協同の学会)
というサイトの中に、リスニングコーナーがあります。
3回分のリスニングのワークシートが用意されています。
映画の一部ですが、比較的有名なシーンに関して扱っています。
所定の期間内にこのリスニングに参加しておれば参加賞の賞状を
希望すれば事務局から送付されるようになっていました。
興味関心のある方は、4回目以降の時にも参加されてはどうでしょうか。
中学、高校、上級向けとレベルに応じてリスニングができます。
映画好きの生徒には、映画の有名なシーンを楽しみながら
英語にも親しんでもらえるので一挙両得になるのではないでしょうか。
ちなみに扱われている作品は、『レ・ミゼラブル』
『プラダを着た悪魔』『タイタニック』です。
ただ、6月30日現在では、学会員でないとこのコーナーを利用する
ことができなくなっていますので、皆さんにどうぞというわけには
いかなくなっています(学会員でなくても利用ができた期間を
過ぎてしまっているのが残念です)。
リスニングのコーナーだけでなくてもサイトに一度お立ち寄り下さい。
(参考:映画英語アカデミー学会:http://www.academyme.org/


前回紹介した『高校生とやま英語表現ハンドブック』は、
富山県教育委員会のホームページよりPDFファイルで
ダウンロードできるようになっていますので、
これをリーディングの課題することも候補の一つになります。
(参考:http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/3003/kj00013276.html



発信型の課題としてはPechakucha(または「ぺちゃくちゃ」)
というプレゼンテーション活動に取り組ませることも考えみたいです。
Wikipediaには次のような紹介があります。

「ぺちゃくちゃ(英: PechaKucha)とは、プレゼンテーションの形式。
ぺちゃくちゃでは、講演者は、20枚のスライドを1枚あたり20秒
使ってプレゼンテーションを行う。ぺちゃくちゃは、
日本を拠点とする建築事務所クライン・ダイサム・アーキテクツの
代表であるアストリッド・クライン(Astrid Klein)と
マーク・ダイサム(Mark Dytham)によって考案され、
最初のぺちゃくちゃないとが2003年2月に東京で開催された。
2004年にはヨーロッパの都市でぺちゃくちゃないとが
開催されるようになり、その後世界中に広まり、
2012年9月までに世界552都市で開催されてきた。2012年9月現在、
480を超えるぺちゃくちゃのプレゼンテーションがオンラインで
閲覧できる。
ぺちゃくちゃという名前は、日本語で、よくしゃべる様を表す
オノマトペである「ぺちゃくちゃ」から来ている。」

20枚にこだわらず、例えば「夏の想い出の写真を5枚選んで、
紹介文を英語で書いてみよう。」という課題にして、
ワークシートを作成して取り組ませることもできるのではないかと
考えています。従来の英文絵日記の課題を写真版英文日記と
すり替えたものかもしれません。


何をどうしようかと色々迷っていますが、今一度考えたいことは、
夏休み後にどのような生徒の姿を期待しているかです。
こんな9月を迎えてほしい。このように夏休みを過ごして欲しい。
などの願いやねらいも押さえなおしたいものです。


さて、生徒が「わあ面白そう!」「やってみたい!」
という声を発するか、それとも「え~!??」と困った顔になるか。
まだしばらく頭を悩ませる日々が続きそうです。 

岩本 昌明(いわもと まさあき)

富山県立富山視覚総合支援学校 教諭
視覚に病弱部門が併置された全国初の総合支援学校。北陸富山から四季折々にふれて、特別支援教育と英語教育を始め、身の回りに関わる雑感や思いを皆さんと共有できたらと願っています。

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